ANA国内線【PR】

素敵な音楽をいつもあなたにお届けしたい。フィルクラブが、そんなお手伝いをします。ご一緒に活動してみませんか。
by philclub
XML | ATOM

skin by excite
フィルクラブサロン 「楽器解剖学その8」
2009年11月27日(火)午後7時より、港勤労福祉会館 3階サークル室で
第8回目のフィルクラブサロン、ファゴットの楽器解剖学が開催され、
フィルクラブ理事依田敬一さんの司会で楽しい楽器解剖講座が始まりました。

◎演奏 
 志田さんのピアノ伴奏で上野氏のファゴット演奏
  曲目:ディズニーメドレー

演奏後、児玉氏と上野氏の掛け合いでファゴットについての解説が始まりました。

1.ファゴットの歴史と構造
 ファゴットはいくつかのジョイントから成っている木管楽器で、一般的には5つのパーツに分かれます。上からベルジョイント、次がバスジョイントという太い管、それからテナージョイントという細い管で高い音を出す時こちらを通ります。
 そのいちばん下の部分に穴が2つ空いています、この管が一緒になってダブルジョイントと呼び一番下にU字管がついています。

 この管を経由して太い管に息が通ると低い音になります。大きく分けるとファゴットはこれだけの管に分けられます、がもう一つハンドレストがあり、ここに手をあてて演奏します。普通の木管楽器(クラリネット、オーボエ等)では右手の親指で支えて演奏しますが、ファゴットの場合は指10本全部使います。
 そのため演奏時にはストラップを用い楽器をつるし、楽器を斜めに構えて吹きます。
 ファゴットはイタリア語Fagotto(薪の束)と呼びます。英語ではBassoonと呼びますがこれは低い音を出す楽器という意味です。

 上記管(薪束)を毎回演奏の度に組みたてていくわけですが、組みあがると全長1m35cm位になります。
 全ての管を伸ばしてつなげるとどれぐらいの長さになると思いますか?・・・だいたい2m60cmくらいです。重いので持てないのでつらなければ、ならないのと音色に特徴があります。
 音域が広い楽器でもあり木管楽器で一番低い音を出す事ができますが、実は高い音も出せます。
 音域は中央ハの2オクターブ下のハのすぐ下の変ロから3オクターブ強で
ます。

 皆さんご存知の「春の祭典」の出だしの部分を演奏してみてください(いきなり準備なしに演奏する事は木管楽器奏者としてはいやでしょうが)ーーー上野氏「春の祭典」の一節を演奏(後は「ボレロ」ですかね、音域はそんなに高くないですが)。

 低い音域を使った曲としてはちょっとズッこけた感じになりますがが(ファゴット奏者にもズッこけた方おられますが(笑い))、プロコフィエフの「ピータと狼」の“おじいさん”のテーマ部分はファゴットで表現しています
ーーー上野氏演奏。

 音孔部の管壁を厚くして、穴を斜めにあけ、指が届きやすいいようになっています。
現在の楽器ではキー装置が発達したため、伝統的な音色を失わない程度に合理的な位置に穴を開け、
キー装置をもって指の届かない穴の開閉を行っています。
 そのためにキーの数が多くなり、演奏者は大変な苦労をしています。

 キーは非常に複雑な組み合わせになっておりまして、同じ音を出すのに違うキーを押えたりします。 それでは、ちょっとやってみてくださいと児玉氏。 
 同じ音程で“ボー”という音が大きな強い音、柔らかく優しい音の2種の音色が出せる事を上野氏の演奏で確認。 
 ファゴットは穴も多いですし指の使い方も各種音色に対応するために、替え指等複雑な組み合わせになっています。

 楽器の先にある金属管(ボーカル)の先端にリードをつけて吹くわけですが、ファゴットの内側の管はボーカルの付け根から下に向かって進み、一番下の金属パーツの中でUターンして今度は一番上まで上がって行きます。
 一番上に穴が空いており、これがベルになります。ボーカルからベルまでだんだん広がった円錐管になっています。
 ボーカルの先端の内経が約4mmでベルの内径は40mmとその間すこしずつ広がっています。
太い部分には管が2本通っています、管がダブルなのでダブルジョイントと呼んでいます。
 断面は楕円で細い方の管がテナージョイントからの管、太い管がバスジョイントに向かう管です。
 それぞれの管に息を吹き込むことにより音の高低をコントロールしているの
です。

 この楽器は先端のベルからだけ音が出るのではなく色々な場所から音の出る不思議な楽器です。
 アイーダトランペットは長いので自分の吹いている音が聞き取りずらいのですが、ファゴットは先端のベル以外からも音が出ているので、演奏者が吹いている音を確認する事ができます。

 一番複雑な指の使い方をするのは左手の親指です、10個のキーに対応しており、組み合わせを間違えると大変です。
 親指で2つのキーを同時に(スライドさせ)押える場合もあります。右手親指は4つ、その他の指はだいたい3つ程度です。
 奏法としてキーを押したり穴を塞いだり色々対応が必要です。

 管が長い楽器なので色々な組み合わせを考えて穴をいっぱい開け、押える位置をキーを使ってできるだけコンパクトにまとめて工夫して作られている楽器です。

 これより1オクターブ低いコントラファゴットという楽器があります。
 管長はもっと長くなりますがキーはコンパクトにまとめてあります。
 指の動きが激しいのでパカパカパカパカといった動きに見え、近くで聞いているとパカパカという、タンポ (牛の薄い皮でできた蓋のようなものです)で穴を塞ぐ音が聞こえます。

 不思議な指使いについて良く解らないのでちょっと低い音から半音階で高い音まで演奏してみてくださいと児玉氏・・・・3オクターブ以上の音が出ることに驚き皆さん拍手。
 ドの次のレに関しては不自然ではありませんが、高い音の方になると倍音使うので不思議な指使いになります。
 「フィガロの結婚」の最初の部分のファゴット演奏ではカシャカシャカシャといった指使いの音が聞こえます。
 上野氏にその部分を演奏してもらいましたが、若干そのような音が聞こえました・・・
 上野氏の楽器は手入れがいいのであまり聞こえませんねと児玉氏(笑い)。
 手入れが悪い楽器の場合には演奏の音より指使いの音の方が大きく聞こえる場合があります。
 
 ファゴットとバスーンの違いについておわかりでしょうか?
・バスーン(フランス式):管が細い、音量小さい、キーも少ない、リード大きい
・ファゴット(イタリア式);管が太い、音量大きい キーが多い、リード小さい
 ベルリオーズの曲では4本使い音量を大きくしています。

◎質問コーナ
 1)全体の重さはどれくらいですか?
  キーが多いのでかなり重くなります。
  首につって演奏していた時代もありますが、あまり重いのでベルトで固定し
  て演奏しています。
  コントラファゴットはもっと重いので垂直にし、床の上にエンドピンのような物
  で固定しています。

 2)ファゴットはこれ以上楽器の進化していきますか?
  今後、穴の数が増えて行くだろうと言われています。
  通常の楽器は、垂直に穴が空いているがファゴットは斜めに穴が空いて
  いるのが特徴です。
  理由ははっきりしませんが多分音が通る時間を長くして音色を変えている
  のだと思います。
  そのため楽器作りも非常に難くなっています。

 3)緊張し心筋梗塞になった演奏家がいると聞いていますが、最初の音出し
  は難しいのでしょうか?
  最初の音出しが難しいので色々工夫しています。ボーカルを高い音が出る
  ボーカルに変えて演奏する場合もあります。苦労するのは春の祭典、
  ボレロ等があります。
  リードでコントロールされる方もおられます。
  ボーカルにより音域、音程(高音、低音)、音色(湿度に関係します)等が変
  変わるので通常2,3種類のボーカルを曲目によりを使い分けています。
  チューニングはボーカルの長さ変更で行っています。
  ボーカルに小さい穴があいています、なんと不思議な事にそのなかにピン
  が入っており、高い音を出やすくしています。

 4)ファゴットの素材は?
  木が腐らない様に中にエボナイトが入っています。
  素材は固いメープルを使っていますが湿って腐らない様に常に管中を掃除
  しています。
  楽器の表面にはニスが塗ってあります。
  色あい(赤が多いですが)は注文、黒いものもあります。
  プロはオーダメードですがレディーメードもあります。
  注文すると1,2年かかります。
  最近管楽器のリペアコースを学校で教える様になってきています。
  ストックがあればすぐに交換できますが、在庫がなければ手作りに
  なります。
  昔は、ファゴットを最初から勉強するつもりで音楽学校入学する人は少なく
  クラリネットからファゴット奏者に変わる奏者も多かったようです。

◎演奏
  曲目:近衛秀麿編曲/山田耕作メドレー

2.ファゴットの奏法
 クラリネット等に比べスタッカートが非常に楽にできます。
 音域が広いので色々な場面でオーケストレーションで効果的に利用されて
います。
 4月21日に上野氏の演奏会がありますので是非聞きに来てください。
 10本の指の組み合わせで無数の組み合わせができるので今後も
 ファゴットはどんどん改良されていくと思います。
 奏者にとってベートヴェン4番などはダブルタンギングが難しいです
(唇の中にリードが入るようになります)。

 一般的ダブルタンニングは金管楽器はやりやすいのですが木管楽器は難しいです。
 メンデルスゾーンの曲でクラリネット奏者が非常に苦労する曲があります。
 指揮者が早いテンポを要求してくると舌が回らない状態になる事もあります。
 難しい部分は他の楽器にやってもらってファゴットが吹きやすいいところだけ
 ファゴットでやれれば最高ですと上野氏。シェへラザードも演奏していて
楽しい曲の1つです。

◎質問コーナ
 1)リードはどうされているのですか?
  私は自分で削っています。
  材料は葦で、丸のまま買ってきて最初から作成、途中加工から削る、
  市販を買う、場合があります。紙やすりもつかいます。
  パーフェクトのリードは作れないのでいつも苦労しています。
  ダブルリード(オーボエ、ファゴット)湿気に大きく関係するので
  長く使わない時は水につけておきます(水入れはフイルムのケースが
  便利です)。
  ヨーロッパのオーケストラの管楽器奏者で日本は湿気が多く持ってきた
  リードが使えないのでホテルでリードばかり削っていたという話が
  あります。

 2)楽器の運搬については?
  ファゴットは機内持ちこみできません。
  最近ヴァイオリンで使う松脂も発火物で持ちこみできなくなってきています。

 3)ファゴットの音が心地よく聞ける理由は? 
  男性の声の音域に近いので周波数の関係があるのでしょう。
  柔らかい木を使っている点、穴が斜めにあいているので聞き易い柔らかい
  音色になっていると思います。

 4)ファゴットの協奏曲はありますか
  ヴィバルディが作曲しています。
  有名なのはモーツアルト、ウェーバーです。
  日本ではあまり演奏されません。


◎演奏
  このファゴットを買って初めて演奏した思い出深い曲です。
  1分位の小曲4つからなっています。
  曲目:ジェイコブ/4つのスケッチ

 最後に依田氏より挨拶がありました。
 皆様楽しい会をありがとうございました。
 このような会を今後も続けていきたいと思いますのでどうぞご協力下さい。
 次回は2月になると思いますので、参加希望される方は私にメール
または電話を下さい。

 その後、近所の居酒屋に場所を移し、交流会を開催しました。
 児玉氏、志田さん、上野氏を囲んでさまざまな音楽談義に花が咲きました。

 今回もすばらしい演奏と解説を聞きながら楽しい一夜を過ごす事が出来
ました。
 当日ご来場下さった方々、このブログを読んでくださった方々、フィルクラブ・サロンコンサートへのご参加を心から感謝いたしております。
  
                        フィルクラブ幹事一同

         会場風景です(上野氏、志田さん)

         児玉楽団長により解剖学解説が始まりました     

         解剖(ダブルジョイントです)

         解剖(ボーカル部分です)

         上野氏演奏
# by philclub | 2009-12-23 09:34
フィルクラブサロン 「楽器解剖学 その7」
2009年8月4日(月)午後7時より、京王線 聖蹟桜ヶ丘駅近くの「草苑. そうえん」(カフェ&生花店)7回目のフィルクラブのサロン「楽器解剖学」が開催され、フィルクラブ理事 依田敬一氏の司会で楽しい楽器体験講座が始まりました。

 一昨年8月に第1回目のフィルクラブのサロンを開催し本日7回目を迎える事ができました。今後も引き続き、このサロンを通してフィルクラブの活動支援のお願いをした後で、今回の出演者の紹介がありました。

   東京シティ・フルハーモニック管弦楽団    楽団長   児玉 慶三
                    同         ピアノ    志田 明子
                    同         トロンボーン佐藤 洋樹

先ずは児玉楽団長より:皆様こんばんは、第1回バイオリン楽器解剖から始まり色々な楽器を解剖してまいりましたが、本日は7回目としてトロンボーンを解剖説明いたします。
トロンボーンはオーケストラ楽器の中では一番シンプルな楽器であるため奏法上、色々な苦労があると思いますので後程説明したします。 
先ずは演奏を聞いてください。

◎演奏
 志田さんのピアノ伴奏で佐藤氏が演奏
 曲目:A.ヨルゲンセン作曲:ロマンスоP.21

 演奏後、児玉氏と佐藤氏の掛け合いでトロンボーンについての解説が始まりました。

1.トロンボーンの歴史と構造
 トロンボーンの語源を知っていますかと児玉氏が佐藤氏に質問しましたが・・・・。 
以外と皆さん知っているようで知られていない楽器名です。
もともとトロンボーンの原形はトランペットです(現在はピストンがついていますが以前はスライド式でした)。
トランペットはイタリア語でトロンバですが、後にオーネ(ONE)という拡大辞がついてトロンボーネ→大きなラッパという意味です。

管楽器の中でトロンボーンは他の楽器と異なり単純に管の伸縮だけで音程を変え演奏します。
他の金管、木管楽器では管の長さをバルブで変えたり、木管楽器は穴を空けたり塞いだりして音程を変えますが、トロンボーンはスライドだけで演奏できる非常にシンプルな楽器です。

7種類の基本ポジションに従い管をアナログ的に伸縮させ、後は他の金管楽器
同様マウスピースに当てる唇の閉め具合で音程を変えます。
ちょっとマウスピースだけで音を出して下さいと児玉氏・・ブブーという音がでました。

それでは基本ポジション“1”の倍音だけで演奏してみてくださいと児玉氏・・・起床ラッパの様な元気の良い音が出ました。
口の動きと舌の動きで更に複雑な倍音を出すことができます・・・実験演奏で確認。

通常オーケストラで使われるのはテナートロンボーンですが、左手のスイッチで2種類の管(テナーとバス)を切りかえる事ができるものをテナーバストロンボーンと呼びます。

佐藤氏が本日持参した楽器はテナーバストロンボーンです
テナーとバスの音程の違いを理解してもらうため、先ずB管(シの♭)の音を出してもらい、切りかえて低い音(F管)を出してもらいました。

通常オーケストラでは1番目2番目に座っている人がテナーバストロンボーン、その隣の人がバストロンボーン担当の人です。
トロンボーンの種類としてアルトトロンボーン、テナートロンボーン、テナーバストロンボーン、バストロンボーン、コントラバストロンボーン、ピッコロトロンボーンがあります。

ピッコロトロンボーン(テナートロンボーンより2オクターブ高いB管楽器)はあまり見たことはありません。
ソプラノトロンボーンはトランペットB管と音程は同じですがマウスピースが少し大き目になっています。
現在ではほとんど使われていません。

最初は全てスライド式楽器でしたが18世紀頃に、バルブトロンボーンが開発されました(楽器全体の形は同じです)。
ベルディ他、同時代の作曲家はバルブトロンボーンを対象に作曲しているのでスライドトロンボーンでは非常に難しい演奏技術が要求される曲がたくさんあります。
有名なのはベルディの運命の力に出てきます(ダダダン、ダダダン・・・・と演奏する部分です)。

トロンボーンは最初、教会音楽の中で神聖な楽器として扱われていましたが、少しずつ改良され勇壮で大きな音が出せる様になってきました。

オーケストラに利用され出したのはロマン派からですが、それでは初めてオーケストラに使った作曲家は誰でしょうか?と児玉氏質問・・・ベートヴェンが交響曲第五番「運命」、「第九」に使ったのが最初です。
最初は教会音楽で荘厳な演奏に適した音色でしたが、近代になってくるとそれに加え勇壮な音も要求されるようになり楽器も、奏法も変化してきています。

モーツアルトの「レクイエム」にはトロンボーンが使われています。
音程が人間の声に近く荘厳な天の声の表現ができ、またハーモニーも非常に綺麗なのでモーツアルトも採用したのでしょう。

ハーモニーが綺麗である理由ですが:
他の管楽器では、前にお話した様にバルブとか穴の開け閉めで音程を作っていますが、穴の位置が悪いと微妙に音程が異なります(特にオーボエはチューニングが難しい楽器です)。
一方スライド式シンプル構造のトロンボーンは音程をアナログ的に自由にアジャストできるので、綺麗なハーモニーを作る事ができるのです。

美しいハーモニーを生かした管楽器合奏曲やトロンボーンのクワルテット曲もたくさんあります。

◎質問コーナ
1)楽器持ち運びのため分解できるのでしょうか?
トロンボーンはチューニング管、パランサー(おもり)、ベル(朝顔)、支柱、マウスピース(歌口)、スライドの部品からできていますが、チューニング管、スライド部分が外せるのでコンパクトにケース収納できます。

昔スライド管の胴体は同じ太さでしたが19世紀~20世紀に入りつなぎ部分
(先端10cm程度)を少し太くする事によりスライドがスムーズになり、同時に
空気の漏れも防ぐ事ができる様になりました。

かつては管の途中に唾抜きがなく、適時スライド管をぬいて唾だししていました(佐藤氏:正確には唾ではなく管の内外の温度差による水滴だそうです)。
水滴が入っているとブルブルという変な音が出るそうです。

佐藤氏の楽器はアメリカの製ですが、ドイツの楽器は管の先の方についている唾抜き部品にケーブルを繋げ手元で楽に操作できる様、工夫した楽器もあるそうです。
スライド部分には通常クリームが塗ってありますが、常に水で湿らせておく必要があります。

演奏中、長い休止符があるとスライド部分が乾いてくるので、霧吹きスプレーをかけるため管を抜く場合もあるそうです。

児玉氏から佐藤氏への質問・・・クリームではなく車のエンジンオイルをつけたらどうでしょうか?
マウスピースの接続部分には油をさしますがスライド部分に油をさすと動きが鈍くなり演奏しづらくなりますと佐藤氏。

ここで演奏してもらいましょうと児玉氏。
◎演奏
レナードバーンスタインはウエストサイドストリーを作曲した有名な作曲家ですが、これから演奏する曲の名前の“MippyⅡ世”はバーンスタインのご兄弟が飼っていた犬の名前です。
他にも、バーンスタインは金管楽器の為に作曲した5曲の無伴奏曲の中にもトロンボーンの曲があります。
クラシックとは大分異なった現代風の音楽です。
  佐藤氏のソロ演奏
  曲目:L.バーンスタイン/MippyⅡのためのエレジー

続いてもう1曲演奏しますと佐藤氏。
次は雰囲気を変えましてNHK朝のドラマのテーマミュージックです。
◎演奏
トロンボーンを主題とする作品は少ないのですが、「瞳」でとりあげてくれました
(実際に演奏しているのは若林氏で佐藤氏の友人だそうです)。
なお、作曲は山下康介さんです(アニメ、ドラマ等の作品が多い作曲家です)。
  志田さんのピアノ伴奏で佐藤氏が演奏
  曲目:NHK朝の連続テレビ小説主題歌「瞳」



2.トロンボーンの奏法
何曲か演奏していただきましたが、最初教会使われていた楽器だった
トロンボーンが今では演奏ジャンルが広くなり、オーケストラはもとより
ジャズ(クイックバンド、スイングジャズ等)、マーチングバンド等で
トロンボーンはなくてはならない楽器になっています。
近代、現代オーケストラでは壮大・勇壮な場面で良く使われるので、力強い
音を出す楽器という印象を持たれていると思います。

基本的には、以前お話した通り金管楽器はマウスピースに唇の震動を伝える点は同じですが、スライドだけで音程を変え演奏しているという特徴を生かし他の金管楽器にはできない特別な奏法が幾つかありますので紹介します。

特にジャズ系ですと、他の楽器ではやりづらいビブラートがけられます。
管の伸縮を細かく動かす事により簡単にできます・・・佐藤氏にジャズの1部を演奏してもらい確認。

それをもっと大きくスライドさせると(他の楽器ではやりづらいのですが)グリッサンドをかけることができます・・・佐藤氏にハチャトリアンの「剣の舞」の1部を演奏してもらい確認。

トロンボーンはテナートロンボーン+バストロンボーンになったと云う事で音域が広くなっています。
Fキーを押さないで通常のテナートロンボーンでどこまで低音が出せますかと児玉氏・・・ド・シ・ラ・ソ・ファ、Fキーを押すと1オクターブ低いド・シ・ラ・ソ・ファの音程がでる事を佐藤氏に演奏してもらい確認。

しかしテナートロンボーンにバストロンボーンの機能をつけたばかりにB管、F管
で違う管を息が通るので音色が変わるという欠点もでますがその点はどのように解決していますかと児玉氏・・・これは慣れるしかないのでB管、F管両方で練習をしています。
最近楽器も進歩しており、管中に特殊な部品を入れ息の流れを真っ直ぐにコントロールし、あまり音の変化がないようにする楽器も開発されています。
でも若干音色は変わりますが構造上しょうがない問題だと思います。

トロンボーン独特の奏法で近代になって良く使われるペダルトーン奏法がありますが、ちょっとやってみてくださいと児玉氏・・・低音でビー、ビーという大きな音が響く。
現代音楽、ポップス系統で良く使われますが、これにバストロンボーンが加わるともっと重厚な音になり効果的に使われます。 
ジャズではペレスプラード楽団が良く利用していました。

後は普段あまり使われませんが現代音楽で良く使われるフラッターをやってみて下さいと児玉氏・・・ビブラートがかかったビービーという大きな音が響く。
この奏法をやるとその後の普通奏法に支障をきたすので、あまり皆さんやりたがらない奏法です。
口をマウスピースに当て巻き舌で音を出す奏法です。
この奏法はトロンボーン独特の奏法です(チューバはマウスピースが大きいのでできません)。

半音階をゆっくりやってみてくださいと児玉氏・・・段々管を延ばし
少し元に戻して延ばし高音になるにつれて動かす幅が短くなる事を確認。
倍音及びスライドを利用して同じ音を出すことができますが、その場面で最適な音色を選んで演奏しています。

弦楽器でも弦を変えてポジションを押さえ同じ音程を出すことができますが、音色が異なりますので、それと同じ事だと思います。

特殊な奏法として重音奏法があります。
トロンボーンの音域は声に近いので、実際に声を出しながら、楽器を演奏する奏法です(チューバでもできます)。

3.質問コーナー
1)楽器の価格差はどのように違うのでしょうか?
金管楽器ではほぼ同じ事が云えますが、金属の種類(真鋳、ようはく)、めっき種類、作成者技術(板金手作り、大量生産)、楽器に塗るラッカーの種類に関係します。

2)楽器の価格差によりは演奏に差がでますか?
出ます。
5万円のトロンボーンを買ってきてそれだけ聞くとそんなものかなと
思いますが、プロが使っている楽器と聞き比べると雲泥の差があります。
響、音程安定度、遠くまで響く等大きく異なります。

3)日本の楽器製造技術レベルは?
金管は非常に評価が高いです。
ウィーンフィルで使っている楽器はヤマハが作っています(弦楽器は歴史が浅いのでまだまだですが)。
世界中の管楽器はヤマハのものが多いです。

4)子供達の金管バンドが多くなっていますがトロンボーンを推薦できますか?
小学生にはスライド式トロンボーンは手が届かないので無理です。
佐藤さんは中学校から始めたそうです。 マーチングバンドでは現在フリューゲル系、ユーフォニューム、バルブ系トロンボーンを使っているケースが多くなっています。
人間の声に近いので演奏にいれたくなる楽器です。

それとトランペット、トロンボーンになるとマウスピースが小さいので
音が出るまでに相当苦労すると思います。
子供達が一番困るのはマウスピースの大きいチューバ系です。
子供用にコンパクトトロンボーンという楽器もあります。
金管楽器は小型にすると音程が高くなるので弦楽器の様な分数楽器はありません。

5)トロンボーンを演奏していて気分の良い曲はありますか?
ボレロ、レクイエムにはソロがありますが、全体的には少ないですので特にどれと云う曲はありません。
エンディングの盛りあがりを演出し、全体のハーモニーを支える楽器として満足しています。

佐藤氏が経験した中で演奏しにくい曲にベルク作曲の作品があります。
ピアノ鍵盤的な使い方をし、4オクターブ位の音の変化を求められるので非常に苦労します。
後は速い曲でウイリアムテル等は大変です。

トロンボーンは打楽器と同じように、休止符で待つ事の多い楽器で(忍耐力が必要です)、ベートヴェンの「運命」でも3楽章までは、ただ座っているだけです。
はらはら、どきどき しながら長い休止符に従い待った後(唇を湿らせ、楽器を温めながら)、ピアニッシモで演奏する場合等は難しいです。
緊張待機した後、思い通り弾けた時は喜びがありますが、なによりもお客様の拍手により大きな満足を感じます。

6)ジャズを演奏される事もあるのですか?
楽器のセッティング(マウスピースの大きさが0.5mm程度異なる、カップの大きさ、管の太さ等)が異なるため難しいですが、佐藤氏はクラシックとジャズ半々の割合で演奏されているそうです。
楽器も変えているそうです。
クラシックは譜面通り、ジャズは与えられたコードで自由にアドリブを入れられねばならず、奏法も異なります。

◎演奏
実は、管楽器は話した後、口笛を吹いたすぐ後演奏するのは難しいのですが、
ヴァイオリンでも難しい曲であるチャルダッシュにチャレンジしてもらいます。
  志田さんのピアノ伴奏で佐藤氏演奏
  曲目:V.モンティ:チャルダッシュ


大きな拍手に答えていただき、佐藤氏が大阪ボサノバコンサート千秋楽で
聞いた井上陽水氏のアンコール曲が演奏されました。

 その後、演奏会場に提供していただいたお店「草苑」の模様変えをし、交流会
を開催しました。
児玉氏、志田さん、佐藤氏を囲んでさまざまな音楽談義に花が咲きました。

 今回もすばらしい演奏と解説を聞きながら楽しい一夜を過ごす事が出来
ました。
当日ご来場下さった方々、このブログを読んでくださった方々、フィルクラブ・サロンコンサートへのご参加を心から感謝いたしております。

                           フィルクラブ幹事一同


   フィルクラブ幹事の依田氏の司会で会が始まりました

   児玉楽団長による解説

   志田さんの伴奏による佐藤さん演奏

   質疑応答風景


# by philclub | 2009-09-19 09:21
フィルクラブサロン「楽器解剖学  その6」
2009年5月26日(火)午後7時より、港勤労福祉会館 3階サークル室で
第6回目のフィルクラブのサロン「楽器解剖学」が開催され、フィルクラブ理事
依田 敬一さんの司会で楽しい楽器体験講座が始まりました。

 一昨年8月に第1回目のフィルクラブサロンを開催し、いずれも大盛況の
うちに終えることができました。
因みに第1回目(ヴァイオリン)2回目(クラリネット)、3回目(ホルン)、
4回目(トランペット)、5回目(オーボエ)でした。今後も引き続き、このサロン
を通してフィルクラブ活動支援の
お願いをした後、今回の出演者の紹介がありました。
東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 楽団長:児玉 慶三
        同                   チェロ:薄井信介
        同                   ピアノ:志田明子

一般にオーケストラは敷居が高いという印象がありますが、少しでも多くの方に
楽器の仕組み、楽しさを解っていただきたいと思いこのような演奏会を企画しました。
 第1回目は弦楽器ヴァイオリン、その後全て管楽器でしたが今回は弦楽器
に戻りチェロについて解剖いたします。

◎演奏 
 志田さんのピアノ伴奏で薄井氏が演奏。
  曲目:エルガー作曲 愛の挨拶

演奏後、児玉氏と薄井氏の掛け合いでチェロについての解説が始まりました。

1.チェロの構造
 日本ではチェロと簡単に言っていますが正式には、ヴィオロンチェロという名前です。
そのまま訳しますと、“少し小さな大きなビオラ”と言う、なんともいいかげんな
名前なのですが、昔は弓で弦をこする弦楽器は全てビオラと云われた
時代があり、今のチェロよりひとまわり大きな時代もありました。

 それを今の形に小型化しエンドピンを取り付け床につけて両足に挟んで弾く
ようになりました。
その前はエンドピンをつげずに楽器そのものを両足に挟んで弾いていました。
 古楽器であるビオラダガンバ、ビオラダブラッチャはまさにその時代の楽器
でしたが、弾きにくいと言う事で後にエンドピンをつけて演奏するようになりました。

 チェロがいまの形になってきた理由にはもう一つあります。
低い音をだすためには弦の長さを長くする必要があるため、どうしても楽器が
大きくなります。
 昔はガット線だったので弦をあまり太くすることはできませんでした。
長い弦を使うため形も大きかったのですが、金属線が開発され弦に利用する
事により弦を太くできたので、全体の長さを短くでき現在の様な形になりました。

ヴァイオリン4弦の調弦は“ソ・レ・ラ・ミ”ですが、ビオラはそれより完全5度
低いドからはじまり“ド・ソ・レ・ラ”、チェロはビオラより1オクターブ低い
“ド・ソ・レ・ラ”です。
バッハ、ハイドン時代には違う調弦で弾いた曲もありましたが、現在の形、
調弦に、落着いたのが17世紀後半からのようです。

楽器の表板はヴァイオリン、ビオラは1枚ですがチェロは真中から2枚の
板を貼り合わせてできています。
弦楽器は板をそらせて丸みを出しているのではなく厚い板を削って創って
いますので、大きな厚い板が必要になります。
チェロ、コントラバスになるとその様な大きな木がないためどうしても2枚に
分けて真中をニカワで貼り合せて作らなければなりません。
なお裏板は弦楽器全て2枚繋ぎできています。

材質は弦楽器全て表、裏で別の種類の木を使っています。
裏板はメイプルが主に使われています。 ヨーロッパにはあまりメイプルがなく
輸入しています(ストラレデバリウスのメイプルは旧ユーゴスラビアから輸入
されています)。表はだいたいスポロー(松の1種)を削って丸みをつけています。

メイプルは固さがあって、しなりがあります。打楽器のバチなどにも使われ
ています。
ボーリング場の床材はメイプルです。余談ですがはボーリング場の床材を
仕入れ木工所でカットし自分で削ってバチを作った事がありますと児玉氏
(児玉氏は以前、シティ・フィルの打楽器奏者でした)。

チェロが他の弦楽器と異なる構造として、バスバー(力木)がコマ(指板の
先にあり弦を中間で支えている)の下に使われています。
強力な弦の張力に耐えられる様作られています(弦楽器で使われている
コマの下にある裏板と表板をつなぐ根柱とは異なります)。
薄井氏が楽器を横にしてf字孔から除いてみましたがあまり良く見えません
でした。

皆さんに質問ですが、だいたいチェロの4弦の張力はどれぐらいありますかと
児玉氏―――Ton、Kgと云った人もいましたが正解は40Kg~50Kgです。
大体1本が10kgで太さが変わっても張力はほぼ同じです。

それとヴァオリン、ビオラ、チェロは糸巻(摩擦力)で弦を巻き取りますが、
コントラバスは張力に負けるのでギヤー(歯車)がついた特殊な糸巻きで弦を
巻き取ります。

またチェロは張力が強いため微妙な調弦がむずかしいのでアジャスターを
4弦に付けています(ヴァイオリンには通常一番高い音の弦、E線だけにつ
けます)。   

皆さんに質問ですがチェロの板の厚さはどれくらいと思いますかと児玉氏?
表と裏とは若干違いますが、また真中と端で若干異なります、真中は厚くなり
ます
ーーーー以外と薄そうですが表板で真中は5mm程度で端に行くにつれて段々
薄くなり3.5mm程度、裏板は少し厚くなり真中で7mm程度、端で3.7mm
程度です。

 今までお話してしましたがチェロは如何にして大きな張力に耐え、大きさを
どのようにして小さくし(弾き易くする)低い音を出すかという事で時間をかけ
進化してきた楽器です。

◎質問コーナ
ヴァイオリンでは音色とニスと非常に関係あると聞きましたがチェロはどうで
しょうか→同じです、木の楽器はニスにより音色が変わりますし、材質によっ
ても大きく変わります。

◎演奏
バッハの曲で古楽器で演奏されていた曲ですので、その音色に近づけるため
エンドピンなしで弾いてみますと薄井氏。
曲目:バッハ作曲の無伴奏チェロ組曲第一番よりプレリュード
演奏後エンドピンをつけて一部を弾いてもらいましたが、音色、音の大きさが
大分違う事がわかりました。

2.チェロの奏法
多分この時代は弓もバロック風の弓を使って演奏されたと思います。
 弓の反りも今とは逆でした、重音が弾き易いと云われていますが時代の
ニーズにより楽器の形も変わってきています。
最近、古楽器が復活してきていて奏者、グループも増えてきています。
今後も楽器は時代とともに変化していくと思われます。

弓の話しになりましたがヴァイオリンの弓とチェロの弓とではどちらが長いで
しょうと児玉氏が質問――――楽器が大きくなっているので弓も長いと考えた
くなりますね。
しかし、太さは太くなっていますが、明らかにチェロの弓の方が短いです。
次にビオラ、コントラバスとだんだん短くなります。

 実際に1弦、4弦を弾いてみて実験してみまたが、人間の腕の長では現在の
弓の長さが最適であるとの確認ができました。
基本的には弓の持ち方はヴァイオリンと同じです。

ピチカートはヴァイオリンと違う効果を出すことができます。
通常のピチカート演奏の後、指板に弦をぶつけて出すバルトークピチカートを
演奏してもらいました(バルトークが良く用いた演奏技法です、コントラバスで
利用するともっと迫力でます)。
ピチカート方法で有名なのは皆さん良くご存知のプリンク・プランク・プルンク
と云う曲ですねという事で一節を演奏してもらいました。

チェロ奏法の基本は指板とコマの間を弾のですが下記記奏法は通常と
異なります。
現代音楽で音色を変えて弾くスルポンチチェロ(ス・イル・ポンチチェロの
略でコマの上を弾く事を意味するそうで、因みにヴァイオリンでアップ、
ダウン→はイタリア語でス、ジュ)奏法がありますーー実際に音を出して
もらって確認。
その逆がスールバストで指板の上を弾く奏法を云いますーー実際に音を
出してもらって確認――繊細な柔らかい音になりになりました。

 通常の位置で弾くのが良い音色、大きな音が出るのですが、後は通常の
スタッカート、スピッカート奏法があります。

特殊な奏法として弦楽器奏者に嫌がられるコルレーニョ奏法(レーニョは
木の意味)で弓の木の部分で弾きます。弓は木と毛(馬の尻尾)でできており、
毛は何回でもとりかえられますが木の部分はニスが塗って保護されており
交換できないのでつらい奏法です。
 良く幻想交響曲の中で使われますが、その時は皆さん安い弓を別に持って
きて演奏するそうです。
 最近はカーボン弓が使われる様になってきているそうです。

他に特殊な奏法がありますかと児玉氏が薄井氏に質問:
現代作曲家は楽器を叩く奏法が多いですが、演奏家には嫌がられます。
 どうしても現代作曲家は変わった音が好きなので、通常奏法と異なる
色々な音を要求します。叩く奏法はコントラバス、ハープでも多い様です。

◎質問コーナ
1)弓のボーの材質は?
エルナブッコというブラジル産出の木が多いです。

2)コマの材質は?
松系統が多いです。

3)4弦のチューニングは?
ド・ソ・レ・ラと完全5度ずつになっています。
因みにコントラバスは4度ずつなっています、5弦のコントラバスは更に
1オクターブ低いドの弦がついています。
1音、半音の指使いは、指の間隔が狭い形、広い形で使い分けます。
中指、薬指が1音になりヴァイオリンの指使いと異なります。
ボディーに指が当る高音は親指を使って音を出します。
コントラバスも同じです。

3)親指でビブラートかけられますか?
できます→実演。しかし実演の時は親指を使わないで別の指でビブラートを
かけます。

4)弦の値段は?
1本5000円~10000円程度です。   
高いですがヴァイオリン程切れません。

4)楽器を使わない時は弦を緩めているのですか?
基本的にはこのままです。緩めると根柱、コマがずれて調整がめんどうにな
るので通常は弦を張ったままにしておきます。
5)ヴァイオリンは根柱とコマの位置がずれていますがチェロも同じですか?
同じです。

それでは、チェロといえばこの曲を聴かないといけないので演奏に移ります。

◎演奏
志田さんのピアノ伴奏で薄井氏奏。
曲目:サンサーンス作曲、動物の謝肉祭より「白鳥」


◎質問コーナ
1)去年“送り人”の映画を見て、楽器を売ってお金を作ったというシーンが
あったので、楽器はものすごく高価な物と言う認識がありますが、その価値
を決めるのは作成年代、ブランドとかあるのでしょうか?
弦楽器の値段の決め方は非常に難しく、作った職人がはっきりしているのは
問題ありませんが、それを識別するため中にラベルが貼ってあるのですが、
それが本物かどうか鑑定が難しくなります。
現在の印刷技術でラベルも古く作ることができ識別は専門の鑑定士でないと
解りません。
実際に弦楽器の値段はあって無いようなもので、高い楽器はオークションで
価格が決まります。イタリアのストラデバリウスは現在ほとんどユダヤと
アメリカ、日本で買い占められたそうです。
安いものは中国製、機械で作ったものもあります。
しかし実際には1500万と1000万の楽器の音色の違いを聞きわけられる
事はできません、弾く人の好みによって決まるしかないと思います。
価格は楽器屋さんのいいなりと云った所が本音だと思います。

2)古い楽器が良いのでしょうか?
一概に云えません。古くなって鳴らなくなっている楽器もあるでしょうし
、木も金属疲労と同じように朽ちてしまったり、弦の張力に負けて補強し
なければならなくなったり、色々あります。
特にコントラバスはトラックで運びますので頑丈である事も必要です。

3)楽器の保管方法は?
木の楽器は室温を保つ事が大事です。特に日本は湿気が多いので梅雨時は
乾燥剤を入れている人もいます。木がニカワで貼ってあるだけなので
はがれる事もありますので神経を使います。

4)チェロを勉強している人、持っている人はヴァイオリンに比べてどれくらいの
割合でしょうか?
良くわかりませんが1/3ぐらいでしょうか。
分数楽器はヴァイオリンは1/16からチェロは1/10からあります。
因みにチェロはレディースサイズというものもあります。

5)楽団演奏の輸送方法は?
以前は航空機でも手荷物扱いができましたが、現在では楽器を置く席を
購入する必要があります。
チェロは航空安全法でサイズ制限にひっかかるので、厳密には楽器
をねかせねばならずそのため4席買いなさいと云われた事もあります。
サイズ制限に付いては未だもめています。
ヴァイオリン、ビオラもサイズ制限の話しが出てきています。常識的には、
現在チェロ奏者は2席購入します。割引、早割引は人間にしか通用しないので
場合によると人間よりチェロの方が運賃が高くなる事もあります(楽器は食事し
ないので正規料金よりは安いですが)。

6)楽器の現地調達はありますか?
ありますが、違う楽器は弾きにくいです。
しかしピアノ、打楽器、コントラバスはどのような楽器でも演奏できないと仕事に
なりません。

それではチェロは人間の声に一番近い楽器という事で洗足学園の先生
が作られた「さとうきび畑」という歌の曲(森山良子さん)を演奏してもら
いましょう。

◎演奏
志田さんのピアノ伴奏で薄井氏が演奏。
  曲目:さとうきび畑

変わった曲として、リベルタンゴで有名なピアソラが作曲した曲を弾いてもらいます。
通常タンゴはバンドネオンとバンドのための作曲であり、他の楽器のオリジナルがありません。
しかしこのタンゴだけはチェロのために書かれています。
ピアソラが有名なチェロ奏者であるロストロポービッチに捧げた曲です。

◎演奏
志田さんのピアノ伴奏で薄井氏が演奏。
  曲目:ピアソラ作曲ル・グランタンゴ

大きな拍手に答えていただき、アンコールで“映画・送り人のテーマ曲”が演奏されました。

 その後、近所の居酒屋「駒八」に場所を移し、交流会を開催しました。
児玉氏、志田さん、薄井氏を囲んでさまざまな音楽談義に花が咲きました。

 今回もすばらしい演奏と解説を聞きながら楽しいい一夜を過ごす事が出来
ました。
当日ご来場下さった方々、このブログを読んでくださった方々、
フィルクラブ・サロンコンサートへのご参加を心から感謝いたしております。

                          フィルクラブ幹事一同


           薄井さん演奏風景

           フィルクラブサロン風景

           児玉さん、志田さん、薄井さん説明風景
# by philclub | 2009-08-19 15:43
フィルクラブサロン 「楽器解剖学 その5」
2008年8月4日(月)午後7時より、京王線 聖蹟桜ヶ丘駅 近くの
「草苑. そうえん」(カフェ&生花店)5回目のフィルクラブのサロン「楽器解剖学」
が開催され、フィルクラブ理事依田 敬一さんの司会で楽しい楽器体験講座が始まりました。

 昨年8月に第1回目のフィルクラブのサロンを開催し、5回目を迎える事ができました。
今後も引き続き、このサロンを通してフィルクラブの活動支援のお願いをした後で、
今回の出演者の紹介がありました。

東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団   楽団長   児玉 慶三
同             ピアノ   志田 明子
同             オーボエ  猿田 博

◎演奏
 志田さんのピアノ伴奏で猿田氏が演奏。
 曲目:マルチェッロ作曲:協奏曲ニ短調より2楽章

 演奏後、児玉氏と猿田氏の掛け合でオーボエについての解説が始まりました。

1.オーボエの構造
 楽器解剖学の1回目ヴァオリン、2回目クラリネット、3回目ホルン、
4回目はトランペットでしたが、今回は木管楽器で演奏会に良く登場し、
甘い音で皆様を魅了するオーボエについての解剖です。

オーボエがオーケストラで利用され出したのは17世紀、日本に入ってきたのは
明治に入ってからなのですが、なかなか奏法が難しく19世紀にはあまり知ら
れておらず、その後徐々に軍楽隊で利用されるようになってきました。

オーボエは前々回説明したクラリネット同様リード楽器ですが、クラリネット
は1枚リードであるのに対しオーボエは上と下2枚貼りつけたリード
(ダブルリード)を使って音を出す楽器でファゴットと同じ構造です。

それではリードだけで演奏してみてくださいと児玉氏―――「ピーピー、
プープー」と草笛の様な音が響く。
材料は葦ですが、我々が昔鳴した草笛と原理が同じなので、似た音がでます。


それでは次にリードを楽器につけて演奏してみてください。
「チャイコフスキーの白鳥の湖」の有名なテーマの一節を猿田氏が演奏。

オーボエはホルン族で中が円錐形に削られています。
表から見てはわかりませんが内側一番細い上部は内径(直径)4mm程度に
削られています。
他にオーボエ族の楽器にイングリッシュホルン(ポリノフレーデ、コールアングレ
等色々な云い方があります)がありますが、本日猿田さんに持ってきてもらって
います。
オーボエと大きく異なるのは楽器の先端のあさがお部分が、壷のような丸みを
持っており、そのためにちょっとこもった音色になります。

ソロで一番有名なのは“新世界”ですと、猿田氏にその一節を演奏してもらう。
皆さんご存知の“新世界”の2楽章です。下校時間を思いださせる曲ですねと
児玉氏(会場笑い)。

オーボエに比べて長さが1.5倍くらいあり、管の中の太さも若干太くなって
います。
太さについては何か計算式があるみたいで、丁度1.22倍になっており
オーボエより完全5度低い音になります。

オーボエは構造的に、穴がいっぱいあいており、キーは3つあります。
バロックの頃から現在までキー、穴の数は徐々に増えてきております。
その理由はできるだけ安定した音程を出すためだそうで、最初にできた
バロックのオーボエの穴数は僅か2個だったそうです。
そのため穴を塞いで出す音と倍音を利用するしかできないので、
今の様な演奏はできなかったそうです。

現在は12音とその倍音全てだせる様になっております。
それとオクターブキーがあり、左手の親指で管の裏側についているキーを押す
だけで、管のバイパスができ1オクターブ高い音を簡単に出すことができます。
オクターブキーには第1、第2、第3オクターブキーまであるそうです。

オーボエ奏者が一番苦労するのはリード作りだと思いますが、1日のうち
どれくらいの時間をかけていますか?と児玉氏―――最低1時間ですが
実際には奏者は時間がある時に、使えるリードをどんどん作りためておき、
その日の状態で本番に使う最適なリード選び再度微調整して何本かケース
に入れ持っていきます。
演奏時そのリードを再度微調整する事も多く、オーボエ奏者はリードに
一番神経を使っているそうです。

最初から演奏に使えるリードを手に入れる事はできませんが、材料を購入し、
削って使いますが、実際に使えるものは半分程度です。
毎朝リードを調整し鳴るようにしてから、午後の演奏に臨みます。

1つのリードは何日位使う事が出来ますかと児玉氏――何日という事は云
えませんが3回のくらいの演奏には使えます。

それとオーボエ奏者はいつも水を持っていますねと児玉氏――湿っていると
カビが生えたりするので、通常は乾燥させておき演奏前に水で湿らせ使います。
通常はフィルムケースに水を入れておき、リードをその中に浸けておきます。
演奏本番中も水につけておき、休止譜の最中も、なめたり、浸けたりして
適度に湿らせておかないと音がでなくなります。

リードケースから取り出したリードを児玉氏が見て「それは充分に
濡れていますか?ちょっとリードだけで鳴らしてみてください」と依頼ーー
ビービーと甲高い音が出る。
こうしてリードを吹くだけで、良いリードか悪いリードかわかります。

実際に良いリード、悪いリードを鳴らして比較実験してみましたが、素人には
その違いが良くわかりませんでした。
“ビービー”が暗めの音の方が良いリードだそうです。
常に良い状態でリードを管理する作業がオーボエ奏者に一番大切な事の様です。

オーケストラでのチューニングはオーボエのA(ラ)の音で行いますがその
理由は、他の楽器に比べ音程を合わせるためのピッチが変えずらい事と、
オーボエの音自体、ストレートな音なので、音程を合わせ易いからのようです。

ここで演奏してもらいましょうと児玉氏。
先ほどの演奏したオーボエではなくイングリッシュホルンで演奏します。
◎演奏
志田さんのピアノ伴奏により猿田氏が演奏。
曲目:チャイコフスキー/「四季」よりロマンス(イングリッシュホルン)

実は猿田氏は東京シティ・フィルの中では最年長で、私よりはるかに年上です
と児玉氏(会場は驚きと笑いにつつまれる)。
先ほどオーボエの歴史についてチラリと触れましたが、資料によると黒船の
軍楽隊により日本に初めて持ちこまれましたが、ダブルリードの奏法につい
てわからず1906年(明治38年)東京音楽学校(今の芸大)の卒業演奏会
で利用されたのが、最初の様です。それから102年しかたってない歴史の
浅い楽器ですが、今では宮本さん初め世界的な奏者が日本から出るように
なってきています。

2.オーボエの奏法
他の管楽器と大きく異なるところは、オーボエは息が余る事です。
息を吹き込む所が小さく、管の中も細いため息をあまり使わなくても
演奏できるそうですが、どうでしょうか?と児玉氏―――最初に演奏した
ニ短調の一節を例にしてブレスなしで長いフレーズを演奏してもらい、具体的に
確認する事ができました。

循環呼吸も使いますが、この奏法は口の中を膨らまし(丁度、バグパイプの
ように)その溜めた息を利用しながら演奏し、その間に息を吸いこみますーー
実際に演奏で確認。
音により音色が変わる場合があるのでトリル演奏の間に循環呼吸奏法を利用する
場合が多い様です。
リヒャルトシュトラウスのオーボエ協奏曲(特に2楽章)では循環呼吸を
使わないと演奏できません。

今までお話ししてきた様にオーボエ奏者は不思議な事をしている人達ですが、
風邪をひいて鼻がつまった時は演奏できるのでしょうかと児玉氏――オーボエは
口からも息を吸いますが鼻から息を吸わないと安定した音がでません(猿田氏に
鼻からだけ、口からだけ吸って演奏してもらい、音色が変わる事を確認する)。
チャルメラは鼻から吸って吹くのでしょうかと児玉氏――上手な人は鼻から
すっているようですと猿田氏。

チャルメラもオーボエと同じ原理の楽器で、他に韓国のセナプがあります。
最近テレビに良く出てくる、篳篥も同じ原理の楽器です。それでオーボエの
初心者が吹くと篳篥みたいな音がするのですねと
児玉氏(会場笑い)。
その他にオーボエの仲間にはオーボエダモーレ、オーボエダカッチャ
バスオーボエ(通常のオーボエより1オクターブ下で、“三角帽子”、昨年
定期演奏会で演奏したホルストの“惑星”で利用されています)。

3.質問コーナ
1)オーボエで倍音(ハーモニクス)を使うと聞きましたが?
普通のオーケストラではあまり使いません。
重音も出せますが楽器によって異なり、どの音と重なっているか安定して
ないので通常の演奏では利用されていません。

2)オーボエの変え指について?
オーボエには音の流れ、音程により、同じ音に対し色々の変え指を
使いますーーE♭の変え指を具体的な説明を聞く。
譜面にも変え指、指示のための記号が色々あり間違うと大変な事になります。

3)オーボエという名前の語源は?
フランス語のオー・ボア(Haut bois(高い木(木管楽器))が
語源とされています。

4)猿田さんが本日持ってこられたオーボエは茶色、イングリッシュホルンは
黒ですが何故色が違うのですか?
黒はグレナキア(黒檀)という木でできていましたが15年~20年前から
黒檀が少なくなり別の木を使う様になりました。猿田氏のオーボエは
バイオレット(茶色)という木で作られているそうです。
できるだけ固い木を探して作られています(ギター裏板で使われている
ローズウッドも固い木ですがオーボエには柔らかすぎます)。
昔は赤色の木を使っていたそうですが、オーボエの音色には黒が似合うという
事で黒になったそうです(音色も悪く軽かったそうです)。

5)オーケストラ演奏家は本番までに色々準備があり大変だという事は知って
いましたが、特にオーボエのリード管理の大変さにはびっくりしました。
使えるリードを自分で作れる様になるまでにはどれくらいかかりますか?
色々なケースがあり
・市販のリードを買ってきて使う
・葦の原木(丸太)を買ってきて削って作る
・ほぼリードの形になっている材料を買ってきて削って作る
・演奏家がアルバイトで作ったリードを専門店から購入
猿田さんは原木を買ってきて2ヵ月程度ねかせ、割って、形にし、削って、
糸、ワイヤーで巻いて、更に削り微調整して仕上げるそうです。
作る時にはリードを作りだめ、しますが使えるのはその半分以下です。

6)リードを作るための特殊な道具はあるのでしょうか?
沢山ありますーーリードナイフ、カッティングブロック、プラーク、
糸、シェーバー、メイキングマシン、針金等でいつも持ち歩いています。

7)市販の使えるリードはいくらぐらいでしょうか?
できあがったもので3500円程度です(数本セットになっていますが
全部は使えません)。
オーケストラによって支給額がちがいますが、管楽器、弦楽器奏者には
消耗品代がささやかですが支払われているそうです。

8)素人が使えるリードを買ってきてすぐ演奏することはできますか?
やはりある程度は削らないと音は出ません。
東京シティ・フィルには江東区でジュニアオーケストラを養成していますが
そこで子供達が使うリードは猿田さん達が、予め削って使える様に加工提供
しているそうです。

9)金管楽器の時ホルンの説明がありましたが、木管楽器であるのに
イングリッシュホルンで“ホルン”という言葉を使うのでしょうか?
ホルンはもともと円錐型を意味しており木管楽器であるイングリッシュホルン
(コールアングレという云い方もしますが)も形は円錐型をしており、
金管楽器であるフレンチホルンも円錐型をしているので(長く巻い
てますが)ホルンという名前がついています。ホルン族の仲間です。

10)オーボエ奏者はイングリッシュホルンも演奏できないといけないので
しょうか?
オーボエ、イングリッシュホルン、オーボエダモーレそれぞれの楽器しか
演奏しない専門演奏家もいますが、日本の演奏家は全て演奏できる人が
多い様です。

11)オーボエ族のリードは同じでしょうか?
リードはそれぞれの楽器で異なります。

12)猿田さんは何故オーボエ奏者になられたのですか?
高校の時ブラスバンドに入っており、そこでオーボエを始めました。
実は小学校、中学校はヴァイオリンを習っていたのですが相性が悪かった
ようでオーボエの音が気に入り現在に至っています。

13)演奏中の口の中はどのような形になっているのですか
アイウエオのオーの形になっています。イーで吹くと音色が変わります
―――実際に演奏実験してもらう。

14)オーボエの寿命は
この楽器は15年使っています。管楽器は寿命が短くオーボエの場合はほぼ
10年程度です。猿田さんの楽器は後期高齢化しているのですねと児玉氏(会場笑い)

15)楽器によっては国によっては材質、奏法が異なるものがありますが、
オーボエはどうでしょうか?
ウイーンフィルでは若干違ったウインナオーボエを使っていますが、他の国では
ほぼ同じフランス式を使っています。
ウインナオーボエは日本ヤマハが昔のウインナオーボエを復元製造しています。
リード、指使いも最近は各国ほぼ同じになってきています。
最近、楽器も徐々に画一化され各国の特徴がなくなってくる事は、良い場合も
ありますが、悪い事も多々あります。

最近、ヤマハの楽器が世界中で使われる様になってきていますが、日本人が
吹くと日本の音、ドイツ人が吹くとドイツの音になるのが不思議です。
児玉氏(以前は打楽器奏者でした)がドイツ製のティンパニーを叩いても
ドイツの音は出なかったそうです。
音色は楽器だけでなく操作の問題が大きく係わっているのかなと思っています
と児玉氏。

16)先ほどオーボエを吹く口の形はオーを発声するようにといわれましたが、
オーでも奥行きのあるような音を出す感じなのでしょうか?→そうですね。
母音の発声と似ています→日本語には母音が少ないので日本人には
不向きな楽器ではないのでしょうか?
→特にそういう事はありませんが、顎が這っている人、唇が薄い人
(日本人は厚い人が多いですが)がいいようです。
下唇を平らにしその上にリードをのせ、上唇等まわりで包みこみ吹く感じです。
息を柔らかく出すことよりビブラートもかかります。唇は震動させません。

17)リード管理も大変ですが他に難しい事はありますか?
そうですね。指使いが一番嫌です。ドを出した後、レを出す時には穴を
押えている指を少しずらし半分空けます。その後、ミで戻し、またファ以降も
穴を半分空ける指使いを組み合わせながらスケールを吹くことができます。
瞬間的に穴を全開、半開、閉じる事をするため、指の先を回転させるように
操作します。
穴の大きさは数mm程度なので非常に繊細な指の動きが要求されます。

18)習得するにどれくらいかかるのでしょうか、小学校から始めるのでしょうか?
小学生は体が小さいので指が小さいのでキー操作ができないので、
通常中学生からです。
習得には個人差がありますが、指使い、リード管理等、非常に難しい楽器です。

それでは質問もないようなので、通常はヴァイオリンで演奏する曲を
オーボエ用に編曲した、非常に指使いの難しい曲を演奏してもらいますので、
皆さん厳しい指使いで奏でる音を充分に堪能して下さい。

◎演奏
  志田さんのピアノ伴奏で猿田氏奏。
曲目:モンティ:チャルダッシュ
大きな拍手に答えていただき、アンコールでアルベニスのタンゴが演奏されました。

 その後、演奏会場に提供していただいたお店「草苑」の模様変えをし、交流会
を開催しました。
児玉氏、志田さん、猿田氏を囲んでさまざまな音楽談義に花が咲きました。

 今回もすばらしい演奏と解説を聞きながら楽しいい一夜を過ごす事が出来
ました。
当日ご来場下さった方々、このブログを読んでくださった方々、
フィルクラブ・サロンコンサートへのご参加を心から感謝いたしております。

                     フィルクラブ幹事一同

       解説風景(児玉さん、猿田さん)

        演奏風景(志田さん、猿田さん)

        オーボエ(手前)、イングリッシュホルン(奥)

        リード(オーボエ、イングリッシュホルン用)
# by philclub | 2009-08-18 08:05
フィルクラブサロン 「楽器解剖学 その4」
2008年5月8日(木)午後7時より、港労働福祉会館の3階サークル室で    
4回目のフィルクラブのサロン「楽器解剖学」が開催され、フィルクラブ理事
依田 敬一さんの司会で楽しい楽器体験講座が始まりました。

昨年8月に第1回目のフィルクラブのサロンを開催し、今春やっと4回目を
迎える事ができました。今後も引き続き、このサロンを通してフィルクラブの
活動の支援のお願いをした後で、今回の出演者の紹介がありました。

東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 楽団長 児玉 慶三さん
                     トランペット奏者 上田 仁さん
                         ピアノ奏者 志田 明子さん

◎演奏
志田さんのピアノ伴奏で上田氏が演奏。
曲目はJ・クラーク:トランペットボランタリー(ピッコロトランペット)

 演奏後、児玉氏と上田氏の掛け合いでトランペットについての解説が始まり
ました。

1)トランペットの構造
楽器解剖学の1回目はヴァオリン、2回目はクラリネット、3回目はホルン
でしたが、今回は金管楽器で最もよく演奏会に登場、皆様にもすっかりお馴染
みのトランペットについての解剖です。

先ほど演奏したトランペットはピッコロ・トランペットでA管です。譜面上
B管では♯(シャープ)4つになりますが、A管にすると♭(フラット)1つ
になり演奏が楽になるので、管の長さを変A管にしました。

普段、我々が良く見るトランペットは変ロ調で、B♭管(以下B管と呼ぶ)と
ハ調(C管)ですが、ピッコロ・トランペットはそれより1オクターブ高い音が
出せます。バルブが4個(通常の我々が見るトランペットは3個)あるのは高音
演奏音域を広げるためだそうです。

トランペットはクラリネット、ホルンと同じ移調楽器です(C管トランペット
を除く)。一般的に管楽器では管が短いと高い音、長くすると低い音を出すこと
ができます。
トランペットのチューニングは楽器前方につき出ているU字型管先端    
を左右にスライドさせ、管の長さを変えて音程調整を行います。

演奏会場の気温・環境状況により管の長さが変化し、音程が変わるためチュー    
ニングは必須だそうです。スライドにより音程を変える技法は楽器を移調させる
ために利用される事もありますが、移調用切換スイッチが用意されている楽器
もあるそうです(と左手の人差し指で操作してみせる)。普通のトランペットには
ピストン(バルブ)が3つあり、それぞれ右手の人差し指、中指、薬指で操作し
演奏します。

ピストンを押していない時、全管長が一番短く、ピストンを押すとバイパスが
でき、息の流れるルート長くなり音程が下がります。

中指でピストンを押すと半音、人差し指で1音、薬指で音半低くなりますが、
それと倍音を利用して演奏しています。倍音は唇の形と息の強さで
コントロールしているそうです。

トランペットは1800年初期に生まれた楽器で、最初はピストンのないトラン
ペット(ナチュラル・トランペット)で倍音だけで演奏されていました。そのため
調別に色々な種類のナチュラル・トランペットを用意する必要がありました。
また管に穴をあけて、笛の様に指で音程をコントロールした時期もあった
そうですが、19世紀バルブが発明され現在のトランペットの形に進化して
きたそうです。

「トランペットはこれが完成形でしょうか」と児玉氏が尋ね、――「完成です」と
上田氏が応答(笑い)。

どこまでがトランペットかとの定義がないので、時代につれて楽器も色々
変わってきました(ワグナーの頃はバス・トランペット及びナチュラル・
トランペットを併用)。今後、作曲家が新しい音を要求すれば当然トランペット
も変わってくるでしょうし、演奏家もそれに対応しないといけないでしょう!

トランペットも最初は単なる1本の金属管でしたが、歴史の中で徐々に
ホルン族、トロンボーン族、トランペット族として進化してきています。

「本日は上田氏に3種のトランペット(ピッコロ・トランペット、B管の通常の
トランペット、フリューゲルホルン)を持ってきてもらいましたが、細かく云うと
トランペットは何種類ありますか?」と児玉氏。「B管、C管、D管、E♭管、
E管、F管(長管)、G管、A管もあるし・・・・、結局全部ありますね」と上田氏。

他に、トランペットと同じ長さですが、管の巻き方、先端のアサガオ部分の管  
が太いコルネット、フリューゲルホルン(ホルンという名前がついていますが
一般的な角笛を意味しており通常のフレンチホルンとは異なる系列)があります。

金管楽器はマウスピースに唇の震動を伝達し本体を共鳴させ演奏しており、マ
ウスピース使用が演奏の基本になっています。

バストランペットはマウスピースがトランペットより大きいのでトロンボーン、
又はユウフォニューム奏者が担当します。同じようにワグナーチューバはホルン
奏者、コルネット、及びフリューゲルホルンはトランペット奏者が担当します。
特殊な金管楽器はマウスピースの形が類似している楽器奏者が兼務しています。

他に、ロータリー・バルブにより管長を変化させるロータリー・トランペット
があり、ドイツ、オーストリア等ヨーロッパでよく使われています。一般にピス
トン・トランペットと比べ、重厚で厚みのある音色を持ち、音が柔らかく飛び出
さず、弦楽器とよくブレンドします。ベートーヴェンの曲で良く利用されています。

ウィーン・フィルは音に対するこだわりが強いので楽団が保有している専用楽
器が使われています。楽団員が引退する時には必ず引継者に奏法を伝授する
伝統になっています。

ウィーンフィル所有のトランペットは形状、バルブ、マウスピース等が通常の
物とは全く異なるため、楽団所属専任奏者でないと吹きこなせないそうです。
他にホルン、オーボエも通常用いられている楽器と異なりますが、ティンパニー
も形状、皮が異なります(通常利用されているのは牛の皮で、ウィーンフィル
では羊の皮を使用)。

「これから普通のトランペット(B管)で“トランペット吹きの休日”を演奏
してもらいますが、通常は3人交代で吹くところを、本日は1人でやってもらい
ますので演奏中は休みなしですね」と児玉氏が説明しつつ、「ところで上田さん
は休みの日は何をされていますか」とたたみ掛けて尋ねると、「忙しいので
もっぱら仕事をしています」との上田氏の返答に、思わず全員が爆笑。

◎演奏
志田さんのピアノ伴奏により上田氏が演奏。
曲目:L・アンダーソン:トランペット吹きの休日(トランペット)

2)トランペットの奏法
トランペットは唇の震動をマウスピース震動に伝え、本体を震動させて演奏し    
ます。そこでどんな手順で音が出るかを上田氏に実演してもらいました。
・先ず唇を振るわせ音を出しプー。
・次にマウスピースを当てて音を出しブーブーブと大きな音。
 その後、マウスピースだけでも音階が吹ける実験。
・最後に、本体にマウスピースをつけると本来のトランペットの音になる。

「どなたか今日マウスピースを持ってきている方がおられると聞きましたが」
と児玉氏が客席を見渡すと、この春大学を卒業したばかりという若い女性が
起立し、持参のマウスピースで上手に音を出して聴衆の方々をびっくりさせ
ました。

児玉氏:上手ですね、演奏されているのですか?
女 性:ちょっとだけ趣味で。
児玉氏:楽団に入っているのですか?
女 性:趣味で友達と“ちんどん屋”をやっています。
児玉氏:珍しい趣味ですね。東京シティ・フィル楽団の事務所は住吉にあり、      
下町ですので結構ちんどん屋を見かけますがね。では実際にマウス
ピースを上田氏のトランペットに付けて、何か吹いてもらいましょう。

女性は一瞬の躊躇の後、りんごの歌(赤い林檎に唇よせて~♪)を前奏付きで
見事に吹いたので、その若さでその選曲?というミスマッチも加わって、全員が
感動の大拍手。上田氏も、「や~あっ、素晴らしい」と拍手をすれば、児玉氏も
「トランペットの演奏は簡単そうですね」とうれしそうに応じて、笑いと拍手の
ハプニングに会場は一段と盛りあがりました。

「奏法でスラー(音をつなげて演奏)、タンギング(音を切って演奏)は、どの    
ようにするのでしょうか」と児玉氏「タンギングの方法は舌と息でコントロール
する2種があり、これを交互にやるとタカタカタカタカというダブルタンギング
の音が出せます」(2の倍数である速い8分音符、16分音符・・・演奏に利用)
「3連音符のように3の倍数になるリズム演奏はトリプルタンギングでタタタ・
タタタ・・とダブルタンギングに1音加える奏法になります」。
ダブルタンギングとトリプルタンギングを実演してもらいましたが、「あまり
にも速いので口の中を見ないとわかりませんね」と、児玉氏(笑い)。

「私がブラスバンドに入った頃は音を出すには葡萄の種を吹き出すようにと言
われたのですが、それは間違いですか」と児玉氏。「違いますね」と笑いながら
上田氏が答え、「人によって色々あると思いますが、歯と歯の間に舌を入れ(通
常より上歯、下歯を前に出し)速く動かし刻みます」(非常に微妙な表現でした)。
「舌を結構速く動かすのですね、しゃべる方も速くできますか」と児玉氏――
「そうですね、しゃべる方は苦手です」と上田氏。(笑い)
「“トランペット吹きの休日”演奏した直後に“みなさんこんにちは”と正しく
発音する事は不可能です」と上田氏(笑い)。「演奏時の舌の使い方と、話す
時の舌の使い方は異なると思います」
「スラー奏法はいかがでしょうか」と児玉氏。
「トランペットは同じ指使いで色々な音を出せます。感覚的には声を出してい    
る感じでしょうか。声帯を閉めて、息を送りこんで、色々な言葉が無意識に話せ
るようにトランペット奏者も音出しを練習しています」
「出だしの音はタンギングをするのですが、それからは息の強弱で音をコント
ロールします。中学2年生の時にソ・ドのスラーができなくて、1年くらい練習
した記憶があります」

「特殊な管楽器奏法ですがフラッター奏法はどのようにするのですか」と児玉
氏。「口の中の空間を大きくし、巻き舌で演奏します(フラッタータンギング)。
通常のクラシックでは使いませんが、現代音楽で使います」

3.質問コーナ
1)ピストンを押した時、押さない時のように息の流れが変化するのですか?

ピストンの中に横穴が空いています(具体的に楽器を解剖)、ピストンを
押すことにより息の流れのバイパスでき、そこを経由させて管長を変え音が
変わるのです。3つのピストンを押すことにより半音、1音、1音半の音が
出る長さの管バイパスに息を送り込んでいるのです。
「口の状態を変えないで、真中のピストンを上下させ、息の強さだけで演
奏してみてください」と児玉氏。全音、半音下がった音のペアがどんどん低
くなることがわかりました(高くするには唇をしめて倍音を出します)。
倍音の話になりますが、音が高くなるにつれて倍音の範囲が狭くなってき
ます。何故、倍音の組み合わせが7種類かというと、ソからドの間が出せる
倍音範囲が一番広く、丁度半音7個なので7種類になるそうです。

2)トランペットを吹く場合舌は長い方がいいのでしょうか?

良くわかりませんが、舌が長くて苦労している人はいます(タンギングが
やりずらくなるからでしょう)。トランペットの奏法については人によって大
きく異なるので、どれが正しいとは云えないでしょう。
たぶん骨格にも関係してくるでしょう。オーケストラで金管楽器を左・右、
また上・下に向けて演奏している奏者いますが、それぞれ自分の口の形・骨格
に合わせてベストな位置で演奏していると思います。
良く失敗する例として、色々な先生の異なる指示に忠実に従い、前よりも吹
けなくなったという例があります。特に日本人が外国に行って、それが自分に
合うかどうかわからず、云われるままに勉強し失敗した人もいます。
自分に合う奏法技術を見つける事が大切だと思います。

3)トランペットとコルネットの違いは?

管の長さは同じですが、トランペットより小さいので巻きが多くなっている
点、マウスピースの部分はほぼ同じですが、先端部のアサガオ管に行くに従っ
て管が太くなる点が異なり、それによりコルネットは柔らかい音になります。
トランペットは軍隊ラッパの様に遠くに音を飛ばすのを目的にしているので、
華々しい、煌やかなを音が出るよう工夫されています。

4)チャイコフスキーでは同じ曲の中にピストントランペットとコルネットと
2種利用指示ありますが、あれはどうのように使い分けているのですか?

現在では、チャイコフスキーのシンフォニーではコルネットでは良く聞こえ
ないので全てトランペットで吹いています。その頃は、違いがあり細かい音の
動きはコルネット、高い・大きな音はトランペットと分けていたようです。

5)先ほどバルブを使わないでも音階が吹けると聞きましたが奏法指示
(バルブを使う・使わない)は譜面に書いてあるのでしょうか?

基本的にトランペットの運指法は、一番管の短い良く響く調で書かれている
ケースが多いです。変え指を使った方が良い音程・音色が出る場合には変更
する場合もあります。
その場その場で、適合する演奏方法を使い分けています。

6)ノンブレスでどれくらい長く吹けますか?

ギネスブックには、循環呼吸(ほっぺたを膨らましている最中に鼻から吸う)   
を使ってDの音で18時間という記録がでています。ラフマニノフのピアノ
コンチェルト2番にピアニッシモで長いブレスが要求される部分がありますが
通常はチューバとトロンボーンが交互に交代し繋げていますが、チューバ循環
呼吸でノンブレス奏法している演奏家もいます。
タイ又は、スラーで繋がっている音符はノンブレスでやらねばなりません。

上田さんに実際にノンブレス奏法を実験してもらいましたが45秒でした。

7)演奏会で管楽器の唾だしが気になっているのですが、何か苦労されている
事はありありますか?

金管の場合は、唾より結露で水がたまります。実際にペットボトルの水を
上田さんのトランペットに入れて実験したところ、うがいをしている様な音
になりました。金管の場合はこまめに水をきる必要がありますが、木管楽器
の方でも影響が大きく、音が出なくなってしまう事もあります。
木管楽器の中でもオーボエは小さい穴が多く空いているので水滴や小さな
ゴミでもつまり易いので非常に気を使います。
バレーで舞台から舞いあがる埃、ドライアイスでも詰ってしまうので、オ
ーボエ演奏者の座る位置には気を使います。
金管楽器でもトロンボーンは水抜きをやっていますが、ホルンは管の数が
多いのでもっと大変です。

8)トランペットの材質の変遷は?

最初は青銅で、間の長さは68cm~70cm位で先端のアサガオ(ベル)
も現在ほど広がってなく、マウスピースもなかったそうです。現在は加工が
やり易い真鋳です。昔は板金、彫金技術が低く肉厚だったので木管楽器に似
た音質だったそうです。
話は変わりますが、マウスピースの発見は金管楽器にとっては革命的な事
で、以前は音程が外れ、音も小さかったため音楽的な演奏には使えなかった
そうです。

9)プロが使っているトランペットの価格は?

ポピュラー楽器なので他の楽器と比べ比較的に安いのですが、色々な種類
の管を持つ必要があります。定価で20~30万円(バック:ドイツのメー
カー、プロが良く利用)です。管自体が振動するため、金属疲労を起し音色
が変わるので適時買いかえる必要があります。上田氏の楽器は4本目だそう
です。ティンパニーも金属疲労があります。皮の部分の震動もありますが、
胴体が震動しなくなり鳴らなくなります。

10)トランペット奏者に適した体型はあるのですか、また普段の生活でどの
ような事に注意されていますか?
 
一番トランペッターが大事にしているのは唇です。食事をすると唇の状態
が変わる人もいるので演奏前には食事しません。冬場乾燥する時期にはリッ
プクリームを塗る人もいます。余談ですが、児玉さんがブラスバンドに入った
時、先ず、最初に先生から言われた事は管楽器奏者と喧嘩する時には絶対
顔を殴るなといわれましたそうです。
歯を怪我して吹けなくなった奏者も大勢いますので、音楽家にとって唇、歯
は非常に大事です。

11)長時間吹く場合の唇の耐久力維持方法は?
 
あまり強く押えつけないで吹くとか、マウスピースに長く唇をあててない等
工夫しています。

12)オーケストラの演奏家は演奏中、陶酔する事はありますか?
 
陶酔しますね。できる時は幸せですが、お客様の反応とは異なる場合もあり
ます。
  児玉氏:演奏家の評価と、お客様の反応とは異なる場合の方が多いです。
      自分自身の評価も年と共に変わってきます。
      両者が一致する事が一番望ましいのですが・・・・。

13)ミュートについて教えて下さい
   
トランペットは弱音器では音色を変えるのが目的です。
本日は3種類のミュート(ストレートミュート、カップミュート、ワウワウ
ミュート)を持参しているので演奏してみます。
ムソルグスキーの“展覧会の絵”の6番目でてくる“サムエル・ゴールデン
ベルクとシュムイレ”はピッコロトランペットにミュートを付けて演奏します。
非常に難しい曲です。
描かれている絵に合わせた音作りのためミュートが使われています。

14)トランペットの音域は?
上田さんの場合3オクターブでましたが、通常利用するのは2オクターブ半     
程度です。オーケストラで出てくる一番高い音はD、マーラ8番はEsがでて
くるそうです。

◎演奏
  志田さんのピアノ伴奏で上田氏が演奏。
Charles Fox:Killing me softly with his song やさしく歌って
(フリューゲルホルン)

以上で質疑応答を交えた解説は終了し、アンコールでチャイコフスキーの 
「白鳥の湖:ナポリの踊り」が演奏されました。

その後居酒屋「駒八」に場所を移動し音楽家達との交流会を開催。児玉氏・
上田氏・志田氏を囲んでさまざまな音楽談義に花が咲きました。

 今回もすばらしい演奏と解説を聞きながら楽しいい一夜を過ごす事が出来
ました。当日ご来場下さった方々、このブログを読んでくださった方々、フ
ィルクラブ・サロンコンサートへのご参加を心から感謝いたしております。

                    フィルクラブ幹事一同
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
◎お知らせ
交流会会場で上田 仁氏演奏のCD2種類の紹介と販売がありました。
現代に生きる人々が、ふと見失いがちな自分を見つめたり、心豊かで、
心身ともにのびのびとすごせる、そんな不思議な音の世界が待っている
上田ワールドを充分堪能できるCDです。

1)テレスコープ  2400円
 前奏曲「デ・デウムより」、リベルタンゴ、レベレーション、
やさしく歌って、フライデーナイト ファンタジー、
トランペットとピアノのための組曲、虹の彼方に

2)カレイド スコープ 2400円
トランペット ヴォランタリー、トランペット吹きの休日、
ラメンテーション、フライミートゥザムーン、アイリメンバー
クリフォード、ソナタ、メモリー

上田 仁氏のさらに詳しい活動情報とCD購入については、
http://www.buzzfive.com金管五重奏のホームページをご参照ください!

ピッコロトランペット(バルブ4つ)

トランペット(バルブ3つ)

フリューゲルホルン

ミュート

マウスピース

# by philclub | 2008-06-25 13:37
オーケストラの日(2008年3月31日)
(社)日本オーケストラ連盟では、1人でも多くの人々がオーケストラ
の音楽に親しみ、オーケストラをもっと身近に感じていただくきっかけ
を創りたいと昨年から3月31日をオーケストラの日と致しました。

今年は全国一斉に加盟27団体のすべてが参加し、オーケストラに
馴染んでもらうために各地のホールやオーケストラ練習場で
コンサートやさまざまなイベントを開催。首都圏では、オーケストラ
11団体がこの日のためだけの大編成オーケストラを結成し
NHKホールでコンサートと楽しいイベントを行いました。

この日、東京シティ・フィルではティアラこうとうで「オーケストラと
あそぼう!」と題し、乳幼児からお年寄りまでが参加できる演奏会や
楽器体験を実施しました。

全世代が参加できる演奏会の開催こそ、私たちが「フィルクラブ」を
NPO(特定非営利活動法人)として設立し実現するのを目的として
いるので、これぞ夢の実現とばかりにティアラこうとうに向かいました。

今回はフィルクラブ会員の家族でも、平素はコンサートに全く縁の
無い保育園児や小学生に声をかけ、平日の日中参加ができぬ会員達を
よそ目に母親に連れられた春休み中の子供達は初めてオーケストラ・
サウンドを聴くために会場に集まりました。

当日は例年になく早い時期に桜が満開になったとはいえ、あいにくの
大雨と突風で幼い聴衆には長靴姿が目だっていましたが、すべての演目
が終る頃には暖かい陽射しが戻り青空が広がっていたので、思いがけず
ティアラこうとう前の猿江恩賜公園で花見を楽しむことが出来ました。

第一部:楽器体験コーナー 14:00~14:45 (定員100名)

 地下一階の全会場を使用し、ヴァイオリン・ヴィオラ・チェロ・コントラバス・
 フルート・クラリネット・ホルン・トランペット・トロンボーン・パーカッション・
 ピアノ・チェレスタなど、自分達の楽器を提供した楽団員が100人の幼い
 参加者一人一人に直接弾き方を指導するというもの。 幼児が小さな
 ヴァイオリンを構えていたり、小学生がチェロを抱えていたり、フルートを
 吹いて いる姿は真剣そのもので、演奏後に体験済みのシールを貼って
 もらう時のうれしそうな顔は、その場に居合わせたすべての人を幸せに
 してくれるようでした。
 
 それを証明するかのように、会場を見回っていた東京シティ・フィルの
 常任指揮者飯守泰次郎 氏も、思わず引き込まれそうになるほど愛らしい
 子供達の演奏体験を目前に始終笑顔が 絶えませんでした。そこには
 何時も見慣れたあのホワイト・タイ姿の芸術家でなく、身内の誰 かを
 見守るような優しいまなざしの飯守氏が…

第二部:コンサート  15:00~ (大ホール)

 コンサートがお花見時の軽いイベントと考えていたら大間違いで、指揮者は
 なんと飯守泰次郎氏!賛助出演者も多数で、演奏者の中に楽団長の
 児玉慶三氏が加わったり、司会も指揮研究員の箕輪健太さんが親しみ
 やすいお兄さん役でつとめたり、まさに楽団をあげての顔見世興行に年配
 の音楽ファンも大満足。 
 
 オーケストラの演奏曲は、まず運動会でもお馴染みのオッフェンバック
 「天国と地獄」から 始まり、弦楽器の弓を使わずにピチカートを楽しむ
 アンダーソンの「プリンク・プルンク・プランク」へ。

 指揮者の体験コーナーでは3名を指名し、ブラームス作曲の「ハンガリー
 舞曲 第5番」を演奏 する趣向。まずはお手本として出だし部分を飯守氏
 が演奏し、次は体験者達、最後に飯守氏 の指揮で全曲を観賞。希望者を
 募ったところかなりの人数の中から男児・男性・女性が選出され、各自各様
 テンポや身振りの違った熱演ぶりに、千余人の参加者で一杯の会場は爆笑
 と拍手につつまれ、改めて指揮者の資質を考察!

 参加者コーナーでは、20名ほどの子供が選ばれるまで会場が割れん
 ばかりの歓声と挙手で 埋まり、思わず母親に抱かれた乳児達までが両手を
 挙げてアッピールしている姿を目にし、びっくり。

 演目はモーツァルトの父親が作曲した「おもちゃのシンフォニー」で、演奏の
 合間に太鼓・鳥笛・カッコウ笛・ガラガラ・トライアングル等々の音色が響き
 わたる楽しい曲。まず飯守氏指揮の演奏後に楽団員からそれぞれの
 楽器(?)の使い方を習った参加者が、箕輪さんの指揮で見事に演奏を
 果たし拍手喝采を受け、会場が一つになった瞬間を味わう。

 飯守氏は何よりも「音楽は楽しいこと」が大切と力説し、演奏者も、指揮者も、
 聴衆も、参加者 全員が音楽を楽しんでいる状況を実感し、飯守氏の説に
 納得する。

 最後の曲は、昨年結成されたティアラこうとうジュニア・オーケストラと共演で
 ビゼー作曲「アルルの女」第2組曲よりファランドール。

 舞台上に黒服正装姿の楽団員に混じり、白服の上着姿の若々しいジュニア・
 オーケストラ団員が混じり、なんとも力強い演奏振りを披露してくれた。たった
 1年でこれほどの演奏ができるとは、さすがプロが指導力。
 
 そしてアンコールにラデツキー行進曲を。指揮者が聴衆の方を向いて
 演奏に加わるための拍手の仕方を指導し、またまた会場が一丸となって
 全身で音楽を楽しむ!ウィンフィルのニューイヤーコンサートのようには
 いかずとも、小さな子供達の両手が加わった千余人が生み出すエネルギー
 は音楽の醍醐味を一段と引き立ててくれました。

 本当にこんなに楽しくて面白い演奏会を有難うございました。

まさに今回の東京シティ・フィルの「オーケストラとあそうぼう!」はフィルクラブが
目指している活動そのものだったので(蛇足とは思いますが、またとない良い
チャンスだと思い直し)下記のようにフィルクラブの定款に記載された目的を
ご紹介させていただきます。

「この法人は、広く一般市民を対象とし、交響管弦楽の普及、振興などに
関する事業を行い、子供や青少年向けに情操教育の場や題材を提供する。
生の音楽を鑑賞・体験学習する場を設け、あらゆる世代の人々が演奏会に
参加できるように活動し、広く日本の芸術文化の発展向上に寄与することを
目的とする」
# by philclub | 2008-04-04 14:08
フィルクラブ サロン 「楽器解剖学 その3」
 2008年2月8日(金)午後7時より、港労働福祉会館の3階サークル室で
3回目のフィルクラブのサロン「楽器解剖学」が開催されフィルクラブ幹事
鈴木延枝さんの司会で楽しい楽器体験講座が始まりました。

 寒空の中、毎回参加して下さる聴衆の方々のリピート率が80%に達して
いることへの感謝から始まり、今後も友人知人達を誘い合いって更にサロン
活動を広げていきたいとの要望が伝えられのち、今回の出演者の紹介が
ありました。
 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団    楽団長  児玉慶三さん
                             ホルン奏者  千葉正規さん
                             ピアノ奏者  川村瑞穂さん

 ご存知の方も多いと思いますが、東京シティ・フィル楽団長の児玉氏は
2000年まで現役の打楽器奏者でした。この児玉氏のように音楽の現場
はもとより、楽団の創立以来のすべてを知り尽くしたオーケストラ演奏家が、
楽団長をしている例は日本にはないそうで、そのお陰でフィルクラブは
児玉氏の豊富な知識と経験に基づいた実に軽妙洒脱な音楽体験講座を
開催することができるのですのですから、全く有難いことです。

 先ず、川村さんのピアノ伴奏により、千葉氏のホルン演奏がありました。
曲目はF.シュトラウス作曲「ロマンス」。フランツ・シュトラウス(リヒャルト・
シュトラウスの父)はホルン吹きでしたので、この他にも数多くのホルンの
曲を作曲しているそうです。

 演奏後、児玉氏と千葉氏の掛け合いでホルン解剖学について解説が
始まりました。

 楽器解剖学の1回目は弦楽器、2回目は木管楽器をやったので、3回目は
金管楽器の解剖です。金管楽器にはホルン、トランペット、トロンボーン、
チューバ等がありますが、今回は木管楽器のやわらかさと金管楽器の華々しさ
を備えたホルンの特徴を解剖します。

 まず、ホルンは世界一難しい金管楽器と云われています(ギネスブックに
載るほど!)。

ホルンは各国語で
    英:Horn(French horn)
    独:Wald Horn
    仏;d`harmnia,Cor fran・ais
    伊:Corno
と呼ばれ、一般にはフレンチホルンを指してホルンと云います。

 同じホルンとつく名の楽器には、ウインナホルン(ウイーンフィルで使用)、
イングリッシュホルン、テナーホルン、ワグナーチューバ等があり、これ等と
区別するため、通常のオーケストラで用いられるホルンの事をフレンチホルン
と呼んでいます。

 フレンチホルンはフランスで発明された楽器ではなく、たまたま英国に
フランス風宮廷文化の一部として伝わったことにより「フランス趣味のホルン」
として名が付けられました。

 他に古いものでポストホルン(郵便)、アルペンホルン等があります。

 現在のホルンにはバルブが3つありますが、最初は1本の長い管を丸めた
ナチュラルホルンからスタートしており倍音(振動数が基音の整数倍である
ような上音。音楽では、ある振動数の音に対して、その n 倍の振動数の
音を第 n 倍音という)だけで演奏していました(マウスピースにあてる口の
形と、息の強さで音程をコントロール)。

 ホルンには他の管楽器に比べ倍音がたくさんある事が特徴です。
千葉氏にはこの状況を説明するため、自身の楽器で15種程度の
倍音を実際に演奏してもらいました。

 3つのバルブを押す事により管の長さを変える事が出来ますが、それぞれの
長さの管に倍音が存在するため、出そうと思った音と違う倍音がでてしまう
事が良くあるそうで、そんな理由から演奏会でも音を外す可能性の多い楽器
として演奏家は苦労しているそうです(フレンチホルンより古典的なウインナ
ホルンの方が外す確率が多いそうです)。

 ホルンの種類には
  シングル・ホルン:単一管により構成、Fシングルホルン、
             B♭シングルホルンの2種
  セミダブルホルン:低い音を出すために迂回する補正管を追加
  ダブルホルン:独立した2管をバルブで切り換え(通常F管、B♭管)。
  トリプル・ホルン:独立した3管をバルブで切り換え(F管、B♭管、
             1オクターブ高いHighF管)

 千葉氏が当日持参の楽器はトリプル・ホルンでした。
 3種の管の切り換えは親指で行うそうで(押さない、1回押す、2回押す)、
残りの指で(人・中・薬指)3つのバルブを操作します。
F管、B♭管、HighF管の3種の楽器が3段重ねになっており(マウスピースの
入り口とアサガオ形状出口は一緒になる)、まるで水道管ゲームの様に複雑に
見えました。

 ホルンの親指バルブを押さないとF管、1回押すとB♭管、2回押すと
HighF管と切替り、それと倍音を組み合わせて演奏するそうです。

 ホルンは前回説明のあったクラリネットと同様、移調楽器で楽譜に“in~”
と書かれいると(演奏途中でも譜面で他調に移調したときには切り換えが
必要)、瞬間的に調の読み替えが必要となります。

 クラリネットと違って親指でF管、B♭管、HighF管の選択し(クラリネット
はF管、B♭管2本の楽器を持ち替えます)、音質に合った倍音を計算し
選択しなければならないため相当頭が良くなければ演奏できない楽器です。
と児玉氏が解説したところ、「全くその通りです」と千葉氏が真顔で受け
答えたので、聴衆はここぞとばかりの拍手を送って一同が破顔一笑の
いい雰囲気!

 解説が一段落し、質疑応答に移りました。

1)3本の管と倍音の関係が良くわからない?
 F管、B♭管、HighF管それぞれ3つのバブル、倍音(口の形を変え)を
 利用してスケール(ドレミファ・・・)を吹きます。
 口の形を変えないと、同じ3つのバブル操作でスケールを弾けません、
 と、千葉氏が口の形を変なければスケールが演奏できない事を実験し、
 演奏する。

2)同じ音を色々な倍音を使って出せると聞きましたが?
 例えば、“ソ”の音を長い管(F管)で出すより短い管(HighF管)で出す
 方が音を外しにくくなります(音質は変わりますが)。“ソ”の近くの倍音
 よりも、隣りの狙った音と離れている管の倍音を使う方がより音を外し
 にくくなるので安全に演奏できます。
  F管:・・・・ファ♯、ソ、ラ♭・・・ 
  HighF管:・・・ミ、ソ、シ♭(上記より倍音間隔が離れます)・・・
 このように音を外す事がない様に親指でF管、B♭管、HighFをセレクト
 しながら演奏しています。

 ブラームスは深味のある音を好み長い管で演奏させ、モーツアルト、バッハ
 はきらびやかな音色を好み短い管でホルンを演奏させたそうです。

3)ホルン楽器の進歩とは?
 現在技術向上によりホルンの構造はより複雑になってきており演奏家には
 便利になってきています(ナチュラルホルンからトリプル・ホルンへと進化)
 が音色はシンプルの方が良いため古い楽器も多々利用されているそうです。
 因みに、ナチュラルホルンはバルブがないので、管を並べておき必要に
 応じて差し替えて演奏しています。

4)ゲシュトップ奏法について?
 ホルンの左手はバルブ操作、右手はアサガオ管の中に入れていますが、
 右手を管の奥に入れる事により音程を半音上下させる事ができます。

 ベートーヴェンの“ホルンのためのソナタ”の出だしは自然倍音で始まり、
 その後、ゲシュトップ奏法で半音旋律を吹くよう指示されています。
 モーツアルトの時代はゲシュトップ奏法だけだったので右手操作が大変
 でした。そのために右手奏法練習のためのエチュードがあったとか。

 管の入り口部を塞ぐとビーという激しい金属音を出せるそうですが、
 チャイコフスキーの“悲愴”の中で、このゲシュトップ奏法効果音が活用
 されているそうです。この音を頻繁利用する場合は、ゲシュトップ用のミュート
 (弱音器)が利用されます。

5)ホルンの歴史について?
 ベートーヴェンの後期は半音を出すためのバルブ楽器が考案され、右手を
 使わなくても演奏できるようになり、19世紀後半、パリ音楽院でナチュラル
 ホルン科も廃止されたそうですが、最近、また古楽器が注目されるようになり
 復活した様です。

 ホルンがオーケストラで使われるようにんったのは最近で、トランペットより
 新しいオーケストラ楽器です(昔は主に郵便馬車、狩等、日常生活で使用)。

6)ホルンに左利き用はありますか?
 ドイツのオーケストラに左利きがいます(左手を怪我したため左利き用
 ホルンを作らせたようです)。
 ヴァイオリンにも左利き奏者は大勢います(オーケストラの中で弓の方向が
 違う人がいますので探してみてください)、しかし弦配置(G、D、A、E)順序
 は逆になります。

7)オーケストラのホルンセクションでの上吹き、と下吹きの役割は?
 原則、上吹きはメロディー、下吹きはハーモニーを担当します。
 ワグナー、チャイコフスキーではオクターブユニゾンが多く使われています。
 モーツアルトの頃、ホルンセクションは2人、ベートーヴェン中期、エロイカ
 では3人、第九では4人、後に5,6,7,8人と増えていきました。
 チャイコフスキーやウエーバーではB♭管2人、F管2人でした。
 ワグナーの時代コルノ・ダ・ガッチャという高音楽器がありましたがトランペット
 奏者が演奏していました。マーラ、シュトラビンスキー、リヒャルトシュトラウス
 作品はペアーグループを組みホルン8本で上吹き、下吹きの役割を演奏途中
 で交代させられるそうで、最近では、ホルン奏者は上、下吹き両方できないと
 仕事ができないそうです。

 児玉氏が海外演奏を聞いた時、“ティルオイゲンシュピーゲルの曲”のソロ
 で吹く難しい部分を上吹き、下吹きが途中で切れ目わからないように交代し、
 うまく繋いで演奏していたのにはびっくりしたとの事でした。

8)上吹き、下吹用の楽器について?
 基本的には同じ楽器で演奏します。

9)ホルンの音域は?
 4オクターブです。 低い音はトロンボーン、チューバが受け持ち、高い音は
 トランペット、ピッコロトランペットが受け持ちます。
 トランペットの音域は2オクターブ半(出せる人で3オクターブ程度です)。

10)ホルンの管の長さは?
 一番長い管で3m?、全部の管の長さを合計すると8m?位でしょうか。

 ここで気分を買えるため、川村さんの伴奏で千葉氏のホルン演奏が
ありました。曲目はM.ラヴェル作曲「亡き王女の為のパバーヌ」
(オーケストラで良く演奏される曲をホルン用に編曲)。

 演奏後も更に解説、質疑応答は続きました。
11)変わった楽器と演奏担当者について?
   金管楽器にはホルン、トランペット、トロンボーン、チューバがあります。
   そこで云うホルンはフレンチホルンを指しますが、
   ・イングリッシュホルンはオーボエ奏者が演奏
   ・バストランペットはトロンボーン、ユーフォニューム奏者が演奏
    (春の祭典に出てきます)
   ・ワグナーチューバ(ワグナーが開発)はホルン奏者演奏、ホルン8本編成
    の場合4人がホルンと持ちかえ演奏します。
   ・バスチューバはホルン奏者が演奏

12)音楽学校にホルン科という学科あるのですか?
 音楽学部、器楽学科、ホルン専攻になり他の金管楽器もあります。
 オーケストラにある楽器の学科はだいたい全部あると考えてください
 (類似楽器は別として)。基礎教育としてロングトーン、倍音、スケール練習等
 、各種技法を勉強します。リップストリル(唇で)とうい奏法も練習します。
 ホルン専攻の学生は武蔵野10名、芸大3名程度で、桐朋は少ないようです
 (弦楽器が多い)。

13)ホルンは何才位から練習しますか?
 マーチングバンドをやっている小学校高学年から利用しています。
 因みに我が東京シティ・フィルでは江東区でジュニアオーケストラを養成して
 いますが、小学校4年生がいます。
 ヴァイオリンの様に子供用分数楽器がないので大人と同じ楽器で練習します
 (小さくすると音程が高くなるので)。
 チューバとかティンパニーは台を置いて大人の楽器で練習させます。

14)千葉さんは何故難しい楽器であるホルンを選ばれたのですか?
 千葉氏は中学時代、コルネット担当していたそうですが(因みに千葉氏は
 児玉氏と同郷の広島県福山市出身)、同じ楽器をやっていた同級生3人と
 高校のオーケストラに入部の際、誰かホルンに変わってほしいと云われた
 時、他の2人が躊躇したので千葉氏がホルンを受け持ったため、そのまま
 現在に至っているそうです。千葉氏がホルンの倍音という事が良くわから
 なかった当初、ホルンセッションで違う音を出している人がいるとの指摘を
 受け、誰かわからず1人ずつ吹かされて、初めて自分が違う音を吹いた事
 がわかったそうです(それくらいホルン演奏は難しいのですね)。

15)新聞で女性が吹いている~ホルンという記事が掲載されていましたが
  フレンチホルンとは違う形でした何の楽器でしょうか?
 多分フリューゲルホルンだと思います。クラシックではあまり使われませんが
 ジャズでは良く利用されており、トランペット奏者が吹いていると思います。
 コルネット同様、トランペットよりやわらかな音が出ます。

16)管が楽器で楽団入団試験受ける時、多種の楽器を扱えた方が
  有利ですか?
 楽団としては色々な楽器をこなせた方が便利ですが、色々できて中途半端
 より、基本の楽器が上手である事を最重視し選考しております。現在団塊の
 世代でチューバ奏者の入れ替わりが各楽団で行われていますが、
 音楽大学の卒業生の絶対数は多いので、皆さん就職に困っている様です。

17)ホルンのビブラートはどのようにしてかけるのですか?
 なんとなく、口ビル、胸部をつかって!

18)ホルンの価格は?
 以前と比べ、現在ユーロ高のため、価格全体が相対的に高くなりました。
 トリプル・ホルンで250万円位、良く使われるダブルで150万円位(10年前
 100万円程度だったのですが)で乗用車を買うのと同じ感覚です。
 現在、江東区のジュニアオーストラでは30万円程度の安いものを使って
 います。中国では安い楽器を色々売っていますが、音が悪く実用になりません。

19)ホルンの寿命とは?
 0.3mm程度の金属でできているので、長年使用の場合、音の震動で
 金属疲労を起すので大体10年程度の寿命でしょうか。人によってはは2年
 で変える人もいます。
 新しい楽器を買うと馴染むのに時間がかかる事もあり、千葉氏は3種類
 程度のホルンを交互に演奏に使っているそうです。
   
20)ホルンには国際コンクールみたいな格づけ制度はあるのですか?
 ソリストは日本管楽器コンクールで何年にかに一度ホルン部門のコンクール
 がありますし、20年前から日本管楽器コンクールができました。
 世界的に有名なものではミュンヘ・ンコンクールがありますが、しかし
 ホルンのソリストのマーケット自体は広くありません。

 以上で質疑応答を交えた解説は終了し、アンコールで馴染み深い
「グリーン・スリーブス」が演奏されました。その後いつものように近くの
居酒屋「駒八」で2次会の開催、児玉氏・千葉氏・川村各氏を囲んで色々
音楽談義に花が咲きました。

 お陰様で楽しいい一夜を過ごす事ができました。当日ご来場下さった方々、
このブログを読んでくださった方々、フィルクラブへの参加を本当に感謝
いたしております。

                    フィルクラブ幹事一同
# by philclub | 2008-02-25 18:01
フィルクラブ「楽器解剖学 その2」
フィルクラブ「楽器解剖学 その2」ではクラリネットについてその音色を
楽しみつつ、楽器についてもしつかり学ぼうと平成19年10月30日(火)
午後7時より1時間半かけて、サロンコンサートが開催されました。

いったいどんな光景で聴衆の方々が楽器解剖学なる講義:音とお話しを
楽しんでいらっしゃるのか、一寸そのときの模様を紹介いたします。

●楽器解剖学のお話概要
サロンコンサートは東京シティ・フィルハモニック管弦楽団のクラリネット奏者:
伊藤裕悦氏によるシューマン作曲“3つのロマンス”の演奏から始まりました。
ピアノ伴奏は川村瑞穂さんです。この曲はもともと、オーボエ演奏用に作曲
されたそうですが現在は種々の管楽器でも演奏されているそうです。

ゆったりと流れるような、のびのびとした曲にすっかり聴衆の心が開かれて
きたころ、東京シティ・フィル楽団長の児玉慶三氏と伊藤氏がクラリネットの
構造や奏法等について続々と面白い話が披露されました。

クラリネットは普段わりと見馴れた楽器ですが、専門家同士の話が進むに
つれてその実我々には知らない事が多くて、隠された秘密もあることが
徐々に明らかになってくると、段々と皆の目も輝いてきました。

クラリネットは18世紀始めドイツで生まれた楽器(低音の楽器は近年米国
アドルフサックス考案)で種類は高音から低音のコントラバスクラリネット
まで10種以上あり、伊藤氏自身はその中で9種程度吹いた事がある
そうです(なお通常クラリネットという場合はソプラノクラリネットを指す
そうです)。
クラリネットは5つのパーツの管(マウスピース部分から先端のアサガオ部分)
に分解できるそうで、これは実際に楽器を解体して見せて貰いました。
このプロの楽器を隅から隅まで見せてもらう解体・解剖の光景が実に
エキサイティングなのです。

通常楽器はドの音はピアノのドの音に対応しますが、クラリネットは移調楽器
(楽譜に従って出した音の高さが、ピアノの楽譜の音と異なる高さの音になる
楽器)で、2種類あり(トランペット、ホルンも移調楽器の仲間)そうです。
たとえば楽譜上のハ(C、ド)の音がピアノの変ロ(B♭、シ♭)にあたる
B♭管クラリネット、ピアノのイ(A、ラ)にあたるA管クラリネットの2種演奏利用
されているそうです(C管クラリネットもあるそうですが中音部の音色が悪いため
プロ演奏ではあまり使われないとか)。
B♭管はA管より短く明るい音がしてウエーバが好んで利用し、一方のA管
クラリネットはしっとりした音でモーツアルト、ブラームスが良く利用したそうです。
移調楽器奏者は楽譜読み替えを瞬時にできないといけないそうで、相当修行
が必要ではないかと推測しました。楽譜の調の表記方法も作曲家によって
異なるそうで楽譜に、例えば“in f”と書いてあれば楽譜をF(ホ長調)に読み
変えて演奏するそうです。

ティンパニーの楽譜は現在でもドとソしか書いてなく他調の場合は“in ~”
と書いてあるのが普通の様ですが、作曲家によっては書いてない場合もある
ので予め調べておく必要があるそうです。む、む、む、…意地悪ですね。

なぜ移調楽器が生き残ったかというと楽器特有の音色を生かすためだそう
です。
やはりクラシック音楽には我々素人には関知しえない微妙な違いがあるの
ですね。
現在はバルブで管の長さを変化させる事ができるため、奏法も大分楽に
なったそうですが、移調楽器演奏ではホルンが一番難しく、原点は
アルペンホルンでバルブ(穴)がない管でド、ミ、ソだけしか出せなく他調演奏
の際は管を入れ替えていたそうです。

クラリネットの特徴は他の管楽器に比べ音の強弱をつける事が簡単にできる
長所がありますが、一方、音の出の立ち上がりが悪いので短いスタッカートが
出しにくい点が短所になります。チャイコフスキーの“悲愴”のエンディングで
ピアノ(P)1つからピアノ5つまで強弱を変化させる部分があるそうですが、
この業はクラリネットにしかできないそうです。

ファゴットはピアニッシモが苦手なのでクラリネットが担当するそうです、
この時はバスクラリネット(通常のクラリネットより1オクターブ低い)になるそうです。

クラリネットが苦労する短いスタッカート演奏の例としてベートーベンの
“運命”があります。
3楽章の終りにタタタター、タタタターとピアニッシモで2小節独奏する所で、
同じ音量で刻むのが難しく、プロでも成功率は7割だそうです。へぇ~そんな
事もあるのですね!
また、擦れたり、それを補正するために急に音量が増したりする事も多く
“運命”を演奏する時、クラリネット奏者は1楽章から緊張しているそうです。
これはいちど演奏会で注意して見てみたいですね。

クラリネットの得意業で速いパッセージ演奏(楽器ではフルートの次くらい?)
があり、これは効率の良い指使いができます。
例えばガーシュインのラプソディー・イン・ブルーは半音階で指をスライドスライド
させていく演奏法(半音スライドはジャズでは良く使う奏法)など。
トロンボーンは半音スライドの速いパッセージ奏法は難しいそうで、
ベルリオーズの曲に非常に難しいものがあるとか。
しかしベルリーオーズの頃のトロンボーンは、現在のスライド式でなく、
バルブピストン式だったので演奏が楽だったそうですが……
クラリネットのキーシステムにはベーム式(フランスで利用)、エラー式(ドイツ・
オーストリアで利用)、その他があり、楽器長さ、管の内径、指使い、
音色が異なるそうです。
管は木製が一般的で、グラナディア「よく黒檀の一種という表現がされている
が、グラナディラは豆科でローズウッド(紫檀)の仲間であり、一方黒檀は
柿木科なので、まったく異なる樹木である」という黒くて硬い木が最もよく
用いられているそうです。

クラリネットに使用する葦のリードは、良い音色を出すため奏者が一番苦労する
部品で、コンディションの良いものを見つける事は至難の業(ファゴット、
オーボエのリードも葦)で、伊藤氏も最初は原木の葦を買って来て自作していた
けれど、非常に大変な作業なので最近は購入(10枚セットで1枚300円)して
いるのにかかわらず、使用に適したものはごく僅かとか。
現在リードは原価高のため大半が機械生産になってしまい、葦の産地や、
個体によっても固さなどが大きく異なるため、購入した同じセットの中でも品質
には大きな差があるようで、こんな所にも演奏家の苦労の種があるものですね。

クラリネットの音色は同じ楽器でもリードの材質と演奏者で大きく変わるし、
演奏時の湿度、温度等環境にも大きく左右される非常に繊細な楽器だそうです。
まさにオーケストラの演奏会で聞ける音は一期一会なのですね!

以上一通り児玉氏、伊藤氏の説明・演奏の後で質疑応答コーナに移った。

●質疑応答コーナ
 1.クラリネットの音域は?
伊藤氏に実際に演奏してもらい、レの音から4オクターブ半であることを確認。
(伊藤氏だからでしょう、通常は4オクターブ弱と書いてありましたよ)。

 2.“クラリネットを壊しちゃった”という歌でパキャーっていう音は何故?
同じ指使いで倍音が出るので、吹き方によりキャーという音が出ます。
他の木管楽器では第2倍音である1オクターブ上の音に同じ、または似ている
指使いはできても、クラリネット属では第2倍音が使えないので、第3倍音の
1オクターブと完全5度上の音に類似の指使いになる。

伊藤氏は東京理科大学オーケストラの指導をしており、電通大学院に行った
卒業生に「何を研究しているか?」と聞いたところ口から息を吹き出して
音(楽器)を出す仕組みを、ロボットを作成し研究しているとの事で2年間の
研究結果は人間の口は非常に微妙な動きをしており、クラリネットをロボット
に演奏させる事はできず結論として、”人間は素晴らしい”だったとか。
クラリネットの吹き方を子供達に教えている時、何時間も苦労した後、急に
思った音が出るようになった時、「いまどうしたの?」と聞いても「どうして
鳴ったのかわからない」と云う事が良くあるそうだ。

 3.管楽器は弦楽器に比べ休みが多いと思う、休みの小節数はどうやって
   数えているの?
休みの事なら私に任せておいて下さいと、児玉氏。
(児玉氏-は楽団長就任前には長年打楽器奏者をやっておられました)。
“新世界”ではシンバルは1打だけしか出てきません、後全部休みです。
慣れている曲は数小節前の状況から準備を開始し演奏しますが、
慣れていない曲は指を折りながら休みの小節を勘定します。
クラリネット、フルートは管楽器の中でも出番が多いのですが、打楽器は
休みが多いので勘定に苦労します。
わからなくなった時は隣りの人に小声で聞くそうです。
また総譜(スコア)を見ながら演奏する事もあるとの事でした。

 4.リードはどれぐらいもつの?
寿命は短いので、1つのリードを長く使うので事はなく、気にいったリード
を幾つか確保しておき併用するようにしています。演奏中にリードの調子が
悪くなる事があり、そんな時はがっかりして演奏意欲を失います。
生き物なので新しいリードを使うのは怖い。
長寿命の新しい素材のリードも最近結構使えるようになってきているので
子供用には良いのではとの、弁。

 5.弦楽器は古い楽器ほど価値がでるが、クラリネットもそうなの?
古い楽器は博物館的価値はあるが演奏に利用できません。
モーツアルト時代のクラリネットはキーが2つしかなく演奏には非常に苦労
したと思います。
消耗品(指の変わりに穴を押えるタンポ、バネ等金具部分)が多いので
メンテナンスしながら利用する必要があります。演奏中バネが折れると
輪ゴムで代用することもよくあります。
メンテが多くなれば買うほうが安くなるので結局買い換えます。
また管の内部が濡れるので、しょっちゅう布を通して拭き取るので管肉が
段々磨り減ってきて音色が悪くなってきます。
一生、同じ楽器で演奏したという管楽器演奏家はいないでしょう。

 6.“クラリネットを壊しちゃった”で演奏される音はどうやって出ているの?
多分、閉じねばならないタンポが壊れ閉じなくなるとキャーという音が
出るので、その音ではないでしょうか。

 7.クラリネットはジャズにも良く利用されますがオーケストラの人も良く演奏
   するの?
演奏することは良くありますが、アドリブ演奏が出来ないのでアレンジャーに
譜面をおこしてもらって演奏します。
ジャズの用にコード表示だけの譜面での演奏はできません(できる人も
若干いると思いますが)。

●楽器に触れてみようーー体験コーナ
 
2名の姉妹がチャレンジしたがマウスピースだけ吹いてもなかなか音がで
なかったが何かの拍子に音が出てきたので、管を繋げクラリネットの音が出る
ようになりました。
普段見ていると簡単そうに見えるますが、“こつ”があるのだねと実感でき
ました。
次にチャレンジした人は高校時代演奏経験があり、スケールを披露し喝采を
得ていました。

最後に川村さんのピアノ伴奏により伊藤氏が“テンプルトン ポケットサイズ
ソナタ第2番より第2楽章メヌエットを演奏、アンコールでクラリネットポルカ
を演奏していただき皆、ビロードの音に酔いしれました。 


以上が「楽器解剖学 その2」の概要でした。

演奏終了後、会場に程近い「駒八」の別館で伊藤、川村両氏や解説の
児玉楽団長を囲んで、参加者との懇親会が開催され、クラリネットに関する話を
更に詳しくに聞くことができました。

素晴らしい音色を反芻し、口ずさみながら帰途につきました。
皆様、是非3回目も御一緒しましょう。

                           幹事;A管、B♭管、C管
# by philclub | 2008-01-13 11:29
第1回 フィルクラブサロンのアンケート集計結果
皆様 
8月3日のフィルクラブ第1回サロンコンサートはお陰様で非常に盛会でした。
心から、感謝致します。
先日皆様から寄せられた貴重なご意見を集計し2回目開催に反映させて行きます。
アンケート結果の集計内容を御参考までに掲載させていただきます。
(なおフィルクラブサロン第2回目開催は本年10月29日または30日を予定しておりますーー後日またご案内します)

アンケート対象の属性
  アンケート解答者総数:22名     
  男性:12名  女性:6名   
  20代:2名、40代:1名、50代:8名、60代:9名  
         (記入していない人がいるので総数と合いません)

1.今回のコンサートは何でお知りになりましたか?
1)フィルクラブからの案内  0
2)インターネット        0
3)ちらし             0
4)友人・知人の紹介    21
5)その他            1

2.今回のサロン・コンサートはいかがでしたか?
1)大変良かった   15
2)よかった       6
3)普通         0
4)あまりよくなかった  1
5)よくない        0

 ◎具体的に良かった点
・プロの生の音が聞けた
・何気なく聴いていたオーケストラの新たな楽しさを発見、とにかく楽しかった。
・曲と話し
・間近で生の音が聴けた事、説明を伺ってからは弦のどの部分で、どの様に
 弾いているか興味をもって見る事ができた
・普段は聞けないお話が面白かったし、楽器をさわる
 事ができた事が嬉しかったです
・理屈ではわかっていても、知らない所が沢山あった
・ヴァイオリンが身近に感じられた
・音楽が身近になった
・素晴らしい演奏だった
・これから音楽を聴くのにより幅広く楽しめる様になると思う

 ◎具体的に悪かった点
・司会者の声が小さい
・説明の声が小さくて聞き取りにくかった
・話しは興味深かったが、お酒を飲みながらだとよかった
・ピンポンの音(残念)
・司会進行の声が聞こえにくかった
・司会者にマイクがほしかった(隣りの卓球の音が気になった)
・このホールは3Fなので卓球の音が煩かった

3.会場について?
1)良かった    2
2)普通       9
3)悪い      11

4.会費について?
1)高い       1
2)普通      15
3)安い       6

5.今後の開催日時について希望
・特になし、万障繰り合わせる積り
・19時30分頃
・いつでも
・仕事帰りに寄れる時間(19時頃)
・年4回位
・翌日休みなので金曜がいいです
・年2,3回

6.サロンコンサートに期待したいことがありましたら、是非、お聞かせ下さい。
・今回は弦楽器なので次回は管か打楽器ではどうでしょう
・管楽器などについても行ってほしい
・会場の選択に工夫を
・会場の変更をお願いします
・いろいろな楽器を取り上げてほしい

7.希望される音楽内容や講話内容、またコンサート以外の催しなどはございますか?
・今回の進行で良いと思う
・音楽家と会話(コミュニケーション)できる企画を発表させてほしい
・トランペット演奏と構造

フィルクラブ幹事会
# by philclub | 2007-08-20 09:51
フィルクラブ サロン 楽器解剖(1)に参加して
8月3日の夜は、とにかく楽しかった。
30数名、満席の中でフィルクラブ最初のサロンコンサートは行われた。
プロが奏でる音を身近に肌で感じることができ、感激!
アンコール曲のドルドラも最高!、半世紀以上前の初恋を思い出しました。
また、バイオリン奏法と音色、素材、構造、歴史など説明していただき、正に「解体新書」の解剖学の楽器版と云った感じでした。
2名のお嬢様に対するバイオリンレッスンもほほえましかった。
また、普段疑問に思っている事を、楽団長、演奏者からわかりやすく説明していただき、また質問にも丁寧に答えて頂き非常に満足できましたーー勉強になりました。
有り難うございました。

バイオリンの名品(ストラデバリウス、ガルネリ等)はほとんど日本、アメリカが所有し、ヨーロッパのオーケストラはヤマハ等日本の楽器を使っているという話にはびっくり。 
またストラデバリウスは欧州(イタリア他)の環境で欧州人が使うと欧州の音になり、日本で日本人が使うと日本の音になるという話にはなるほど興味を持ちました。ストラデバリウスを日本の楽器に置換えても同じ事が云えるそうです。
追加質問したかった事ですがーー欧州のオーケストラが日本で演奏すると日本の音になるのでしょうか?(人間は環境的要素に大きく左右されるので変わるかもしれませんね)。それから類推するとヨーロッパ音楽をいくら真似しようと思っても、日本では日本人の遺伝子に従った音楽しかできないと思います(環境もちがうし、宗教も違うし、演奏者が違うのですからね)。我々は、日本文化の良さを知り、音楽をもっと身近にする事により、日本のクラシック・オーケストラを更に親しむ事ができるようになると思います(今の日本は中身よりブランドかぶれが激しすぎますねーー私の趣味のハワイアンの世界も同じようです)。作曲家の意図を日本流に解釈し、日本流に楽器を鳴らせばいいと思いますがいかがでしょうか?
ウェゲナーの大陸移動説で大陸は地続、人類の原点は同でしょうが生きてきた環境は違うので理解できない事はあるでしょうけれど・・・・。

オーケストラの譜面は演奏家の2次元パタン認識・記憶上、非常に重要である事、ゲネプロ等で指揮者に指示された演奏表現を譜面に書きこみ音符と一緒に記憶する事、弦楽器は指揮者により弓のアップダウン等指示が違うため楽団では同じ曲でも最大60種譜面の在庫手配が必要という話し、演奏家はほぼ暗譜していないと本当の表現ができない事など、なるほどと思う事、発見が盛り沢山でした。 

他の弦楽器・調音音程の話の中で5弦のコントラバスの存在ついて良くわかりました。譜面を誰がめくるか、2列に並んだ(表、裏)奏者の役割の話も面白かったですね。

その後で近所の居酒屋での楽団長、演奏されたお2人を囲んでの話も盛り上がりました。
お陰様で私の友人も皆喜んで帰りました。次回開催の際の改善指摘事項もいただきました。

フィルクラブのモットー”もっとオーケストラを身近に”として「楽器解剖(1)」は大成功と思いました。今後サロンとして、多くの方々との出会いの場として、どんどん回を重ね楽しい集まりにしていきたいですね。 そこで何か心のハーモニーができれば最高!(ハートフル・ハーモニー?)。 皆様、暖かい応援お願いします。
                                  

                                                  SAKURA
# by philclub | 2007-08-16 08:24 | サロンコンサート
< 前のページ 次のページ >